クラリスと恋愛事情-1
無事に役割分担が決まった後にふと思った事を私は口に出していました。これは失言だったのかはたまた地雷だったのか…………宮永さんは目を逸らし、残りの3人は顔を赤くしながら俯きました。
「……………そういえば、皆さんの恋愛事情はどうなっているのでしょうか?私が隆一郎が好きだという事を一方的に知っているばかりで私は何も知らないような…………………。」
「……………………あ~、そういえば何も言ってませんでしたね………いや、私には恋愛経験とかありませんしね…………それにあんなカミングアウトしたら寄りつく人も寄りつきませんし。」
「「……………………………すみません、分かっているのですが、叶わぬ恋とは思っているのですが……………ってなんで同じ事言ってるんですか!!相手は違うでしょ!!」」
「…………………………一応、想い人はいますが、会える可能性は低いですね。まぁ、今は主に仕えている訳ですから探しに行くことは出来ませんけどね……。」
……………………フェーリアとペトラはやはり双子なのでしょうか…………あまり似ていないのにも関わらずタイミングはバッチリで同じ台詞でした。…………ただ、2人も恋愛していたんですね…………と思ってしまいます。
一方焔の方はガチャから召喚された立場である為か、現状をよく理解している様でした。ただ、気になったので私は彼女の想い人の事を聞くのでした。名前が分かればガチャで狙いやすくなりますしね……………。まぁ、当たらない可能性の方が高いのですけど。
「…………………私の想い人の名前は漁火です。漁火とは幼馴染の関係でして…………………でも、中々告白できないまま漁火は仲間達と供に別の島に出てしまいました。…………………その時に私も誘われたのですが……………………私は漁火の負担になりたくない。漁火は私を守り切れるほど強くなれないのに、無理をさせたくないと………私は漁火を待ち続ける事にしたのです。」
「そんな事が…………………でも、確かにそんなストーリーは持っていた様な…………。焔の方にはそんな記述は一切無かったから漁火の説明欄に書かれていた故郷で待ち続けている想い人は焔の事だったのかもなぁ………………。」
漁火は私がやっていたスマホゲームの中で中盤あたりでかなりお世話になったキャラだ。これのデータが残っていれば焔と漁火を会わせることが出来たのだけど、データは全く残っておらず、ガチャPに変えられていたので地道に引いて見つけるしかないなぁと思う私なのでした。