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クラリスと従者-4

「定期的に忍び込んでいたのは私達だけだと思いますよ?帝高校はセキュリュティが凄いですが、1つだけ侵入できるルートがあったんです。でもその道は私とフェーリア以外が使用した痕跡がありませんでした。」


どうやらその侵入ルートは避難用の門だそうです。もっとも、外側から見ると何も無さそうに見えますが、ペトラは何回か帝高校の中に私同伴で入った事があるので知っていたそうです。あれは上手くやれば外側からも開けることが出来ますし、緊急事態用ですから南京錠すら着いていないですからね………。


「そうですか…………まぁ、他にも侵入ルートはありそうですが、頻繁に来る人間は少ないでしょう。…………ただ、3組とまともな連絡が取れないのが痛いですね…………。あそこだけかなり混乱している様ですから。」


1組と教師の方にはそれらしき人間が来ていない事は分かっているのですが、この様な内密に話せる人間が3組にはいないという事がかなりの痛手になっているような気がします。かといって今更廃村の方まで行く事は出来ませんし……………。


「ただ、クラス別であったのが良かったのか悪かったのか分かりませんね……………。3組に不確定要素の殆どが入っていた事と、蔵鮫様と黒木さんが行動を共に出来た事がなによりの収穫だと思います。ただ、完全にランダムだと蔵鮫様が大変な事になる可能性もありましたね………………。」

「蔵鮫様はあの優秀なしつ………メイドがすぐ傍にいましたからね………………いなくなったら混乱するでしょう。そんな事が無くて良かったです。ただ、お嬢様と織村様が引き離された事でお嬢様がとんでもない病気の予備軍になってしまった事は想像できませんでしたが………………。」


どうやらフェーリアも『鑑定』は持っているらしいですが…………病気とは何の事なのでしょうか?まぁ、私は至って健康なのは事実なのですが………………精神には何も影響は無いですよね!?


「まぁ、それだけ婚約者の事を思っているのなら良いでしょう。ただ、あの様なジゴロ……………しかも今は男と思われるほどの女性に初恋していた様な男にお嬢様を託すのは少々気が引けますよ………………。まぁ、後で送られてきた昔の写真は確かに可愛らしかったですが、お嬢様の方が上でした。そこは譲れません。」


フェーリアはそう言いながら、私の方を見た後にハァ………とため息をついていました。それは私や隆一郎に関しての事では無く別の事の様な気もしましたがね………と思っているとこんな呟きが聞こえました。


「可愛らしいメイドになれないのなら執事として1番になりお嬢様の隣にいられる執事になろうとしたのにも関わらず一般人出身の黒木に負けたあげく、彼はメイドに………………なぜ、私の願うこと目指すことははいつまでもかなわないのでしょうか…………。」


その呟きに私は少しだけ体が震えました。……………もしかして、私が小さいまま成長して欲しいとか思っていませんでしたよね!?と叫びそうな声をなんとか抑えて私は慰めるようにフェーリアの肩をぽんと叩くのだった。

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