クラリスとアスタリア-1
「さみしい……………。隆一郎がいないからさみしい…。」
「あの、クラリスさん?いくら彼氏である会長と遠愛中だからと言って抱き枕に突っ伏さないでください。いや、浮気するよりはマシですけど……………。」
「見た目が女性の人ばかりなのでトキメキも起きませんよ……。それに、宮永さんの様に露出狂に近い性癖も無いですし………。現に今も下着を身につけていないでしょう………?」
「それは否定できませんね。でも、会長も浮気はしないと思いますよ?でもライバルは出て来そうですけどね………。」
「…………………群雲さんの事ですか?彼女と隆一郎は彼氏彼女というよりは親友的な言葉が似合うのですが……………。」
ほんの数日会えないだけでも辛くなっていた私は、隆一郎がプリントされた抱き枕にしがみついていた。それを見ている宮永さんが呆れた様子でそれを見ているのでした。
「まぁ、蔵鮫さんと黒木というカップルは離ればなれにならずに暮らしているのを見ると、羨ましい気持ちは分かりますけど………とりあえずクエストはこなしましょうよ。モンスターを数匹狩っておかないと食事に困ることになりますよ。とりあえず焔がいるのでどうにかなりますけど……………。」
確かにガチャで当たった事で手に入った焔は強く、廃教会にいた頃にも頑張ってくれていましたけど………。でも、頼り切る訳にもいきません………………仕事を押しつけ続けて焔が反逆した場合、私達にはどうすることも出来なくなるからです。
「………………………なら、もう起きてください。クラリスさんはボウガン使いだから比較的安全に倒せるでしょう………。まぁ、仕込み刃のあるブーツの方が怖いですけどね……。」
「そうですか?私はとても機能的だと思いますけどね…………。」
「いやいやいや、遠距離で倒せずに接近してきた相手を返り討ちにするって、常に特攻しないといけない武器がナイフの私にとっては恐ろしい以外に言うことは無いですよ………まぁ、格上相手からは常に逃げていますけど…………。」
そんな会話をしていると、チャットの方で書き込みがありました。そこには新しい服を身につけている隆一郎の姿が…………。それをみて私は顔が赤くなってしまいました。似合っていて、とても格好良かったからです。
「………………………速く隆一郎に会いたいなぁって気持ちがさらに強くなりましたよ……………。」
「なら今すぐベッドから出て来てください。早くしないと狩り場抑えられちゃいますよ?後、アイテムBOXも忘れないでくださいね………………。あの中に血抜きの道具がいれてあますから。」
宮永さんはそう言って私から抱き枕を剥ぎ取って起きるように促すのでした。……………………まぁ、転生してきた時から生活リズムがズレているのでそろそろ元に戻さないといけませんしね……。