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織村隆一郎と目標-4

「………………………目標が決まった事で、ここでの生活もただ生きるだけという事じゃ無くなって良かったな………。でも、クラリスに早く会いに行けるようにはしたいけどな。」

「実際こちらからも向こうからも認知されていませんからね………。でも、向こうの特産品を教えて貰えれば『食探マップ』が使える様になりそうですけど……………話を聞く限り世界地図レベルの大雑把な物が出て来そうですね…………。」


1番確実なのはワープとかで辿り着く事なのだろうが、座標が分からない。いや、座標が分かったとしても都合の良いようにワープさせてくれないだろうしなぁ…………。下手するとクラリス達に会えたとしても御子柴や狩綱達と別れる事となり本末転倒になりそうだし。


「今は食材の確保を優先に考える事にしよう。米と大豆があればそれなりの物が作れるはずだからな…………。」

「ならば会長達にピッタリな依頼を探してみますね。特に照島さんはこの中で1番狩猟ランクが高いですからね……………。」


そんなこんなで話が進んでいく様子を見て、俺はこの世界でも充実した人生を送れそうだと考えた後、何か引っ掛かる物を感じた。…………………それは恐らく、クラリス、宮永、黒木、蔵鮫という生徒会メンバーがいないからだろう。……………というか、他の組は生徒会メンバー2人ずつなのに俺は1人だけって………と考えてしまう。


『…………………それで、寂しくなったからこのチャットに来たと?』

『まぁ、そんな所だな。』

『…………………せめて生徒会じゃなくてクラリスとの個人チャットにしてくれ。痴話喧嘩や惚気で埋まると面倒なんだよ。』

『……………いや、そこまで埋まらないだろ?』

『ほほぅ、数十分も怒濤の書き込みをするのが埋まらないとでも思っているのか?今時のカップルはグループチャットでそんな事はしないんだよ。』

『……………そうなのか…………。』


あれから夕食としてピザを食べた後、自室で生徒会グループのチャットで生徒会メンバーと話していた。もっとも黒華鉄以外の女子は入浴中らしくチャットには参加していない。


『…………………ただ、恋人いるのにも関わらず他の女性に手を出すという事はするなよ?特に美暮には。』

『そうだな。天然タラシみたいな時もあったりするからな………。黒華鉄、何か良いアイテムが当たったらクラリスに送ってやれよ。コイツは無自覚でたらし込む事があるからな。』

『じゃあ使い道の無かったこれを送っておこう。…………まぁ、私もある意味人の事言えないんだけどな。』

『龍乃宮の事か……………。いや、織村の妹もか?』

『前者だけが正解だよ。後者は私を利用しようとしただけじゃないか。それに女だと気付いていた節もあるし。』


………………………妹よ、お前は何をしようとしていたんだと思いながら、ベッドに寝転がってそのまま眠ったのだった。翌日、左手の薬指にハートのマークが浮かんでいたりしたが、それは別の人間からの視点で話した方が良いだろう。そう思いながら俺は米と大豆を手に入れるために鍛錬に励むことにするのだった。



織村視点の話はこれでひとまず終了し、次回からはクラリス視点になります。次のクラリス視点が終了した後、黒華鉄視点に戻ります。

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