織村隆一郎と目標-2
「……………………とりあえずこの世界での目標が出来た訳やけど…………………今日は依頼とかは受けない方がええんかな?生産系の奴なら出て行かなくてもええんやろうけど、俺の場合は不器用さが目立つからなぁ……………。」
「そうですね……………。僕達はまだ自分のGも持っていない訳ですし。ガチャで当てた物を売ったらそこそこのお金になると思いますが、売るかどうか微妙な物ばかりですし………。かと言ってまたガチャをするという事も出来ませんしね……………。」
「じゃあ、腹筋やら腕立て伏せなどで体を鍛えておけば良いと思いますよ?この世界の武器は少々重いですから。あ、それポンです。…………なかなか良い手になりませんね…………。」
「…………………………まぁ、その辺りは現実なんだよな………。ナイフなんかは軽いけど、剣となればそこそこ重たいからな……。……………リーチだ。まぁ九蓮宝橙では無いけどな………。偶然出来ても次に天和が出る事は無いからな………………。」
俺達は目標を定めた後、緑と天部、照島姉と俺で麻雀をしていた。今日は休みという事にしたのだが、狩綱と美暮はもう1回ガチャを引こうとしていた。しかし、ガチャの種類が半端ない事と、11回分のガチャPしか無い事から頭をかかえながら考えているのだった。
「………………………『木工』とかがあれば将棋とかチェスとか作れると思うんやけどな…………。麻雀やと4人揃わななんも出来へんけど、この2つなら最悪1人でも遊べるけんなぁ……………。」
「………………詰め将棋などでか……………。紙はいくらでも買えるから良いけどな…………。まさか『洗浄石』でインクを吸い出してもう1度使えるという使い方があったとは思ってなかったしな……。」
この世界では原料の関係からか消しゴムや鉛筆は流通しておらず、【洗浄石】の使い勝手の良さからかインクと羽根ペンが使われる事が多い。…………………まぁ、モンスターから大量の羽を毟り取れるから大量に手に入るのだろうけど………………店員の話を聞くと、1番安い物は紙10枚程で交換しないといけないほど耐久性が悪いらしい。
「今回の転移で俺のポケットに入っていた万年筆が2つあるが、この2つを酷使させればいつまで持つか分からないからな…………。万年筆の仕組みは把握しているが、作れるかどうかは分からない。幸い生産関連の大妖精がいるからどうにかなるだろう。」
「……………………話を聞く限り、この街には万年筆は無さそうだからな………………。それが狩綱の目標になるわけか………。」
まぁ、あったら便利な物でかつ、この世界でも使える物はどんどん作っていきたいよなぁ……………と思う俺達なのだった。ただ、この話をしながらやっていた麻雀は流局となったのだが……。