織村隆一郎と物欲センサー-4
『新生活応援11連プレミアムガチャ』
☆6 アーマーマグロの目玉 1年分
☆4 伊藤家の青汁プリン
☆4 山葵明太子
☆4 コーン麺ヌードル 1年分
☆4 ユッケの缶詰
☆4 梅コロッケ 1年分
☆4 スキル『強腹』
☆4 スキル『暗視』
☆4 スキル『投擲』
☆4 スキル『嗅覚強化』
☆4 スキル『味覚強化』
「…………………………………上の6つは明らかに新生活を応援していないと思うのは気のせいなのか?いや、どう考えても珍味的な物は新生活には向いていないと思うんだが………………。」
「タカやんの言うとおりやな……………。でも、天部も別の意味で物欲センサーに引っ掛かったなぁ~。まぁ、望んでた食料やからあまり文句言えへんと思うけど。」
まぁ、一番レア度の高い物が魚の目玉という使い所が分からない物だからな……………。キチンと調理する事が出来れば美味しく出来るのだろうが、生憎俺達にそんな技術を持っている人間はいない。栄養価たっぷりとはいえ目玉を生で食べられる度胸のある人間はここにはいないだろう。
「そういえば、物欲センサーってなんだ?」
「…………………それは鬼畜な会社が考案したと思われる程残酷なシステムや。簡単に言えばレア度の高い物や狙っている物が欲しい欲しいと思いながらやる人間に反応してそれを外してくる物やねん。」
「……………………恐ろしいな、物欲センサーという物は。」
欲にまみれれば自滅するとはこの事なのだろうが……………スマホでゲームをやっていた時に、万能課金体を5個使って出来るプレミアムガチャでいつも最低レア度排出されたりお目当てのモンスターが出て来ないのかが分かった気がする。最大レア排出率5倍の時に回しまくって排出される最低レアばかりだったのは物欲センサーのせいだったのかと納得する。
「まぁ、たまに欲にまみれていても当たる事はあるけどな~。実際俺もそれでレア度の高い奴ゲット出来たわ。もっとも、俺のパーティでは使わんモンスターやったけど。」
「………………つまりやる時には無欲である方が良いわけか………。どうやっても欲が出てしまうだろうがな。もっとも、運が良ければ引っ掛かる事も無いらしいから物欲センサーに引っ掛かる様なリスクも悪くないかもしれないしな。」
しかし緑色の明太子やプリン、梅の入ったコロッケを見てもあまり食欲は湧かないだろうと感じた。………ただ、狩綱曰く『伊藤家の~プリン』シリーズは前の世界にあったらしい事と、『山葵明太子』と『梅コロッケ』の製造元が同じ『珍味堂』である事が判明した。……………………青汁プリンは普通の舌にも需要があったのか?と疑問に思いながら、今度は美暮がガチャを引くのだった。