織村隆一郎と物欲センサー-2
「……………………やっぱり初回特典は付いてるんだな。11連ガチャのチケットが…………………。俺のガチャにも同じ様な物は存在したしな。」
狩綱、緑、美暮、天部のスマホを確認すると、ガチャの名前こそ違えど彼等のガチャには初回特典の11連ガチャチケットが入っていた。まぁ、この11連ガチャで手に入れられる物にまともな物が確実に出るわけでは無い。これは俺と群雲が散々な結果になった事から分かる事だ。
「………………………まぁ、化け物が出てくる訳や無いんや。とりあえず引いてみる方がええんちゃうか?今の状況的に失敗してもどうにかなる状況やし。」
「まぁ、命の危険が少ない町の近くに落ちたからな……………。それに、俺達もサポートできる立場にあるからな。それに、住む場所も提供できるからな。」
11連ガチャをどうするか迷っていたが、とりあえず引いてみようという事になった。まぁ、失敗しても大した事にはならないし、いざという時に使う程の物では無いからな…………………。
「じゃあ言い出しっぺの俺からやるわ。ベースになってるのは『ドライズ・オンライン』やから使い魔とか出て来そうやな。ま、そこまでご都合主義が通じるわけ無いやろうからな。」
「僕も『ドライズ・オンライン』がベースになってます。人気ゲームだったので、普通にインストールしてやっていましたからね………。」
「俺は『株価娘』だったな。あのゲームはどうやってるのかは知らんが全ての会社の株価の動きを見れる物だからな………。」
「いや、あのゲームで一番驚くのは全ての株式会社のキャラをイラスト化した事やろ……………………。流石に株式を発行してない会社はしなかったらしいけど。」
そのアプリは俺達が亡くなった後に出来た物らしい。………………まぁ、狩綱は普通のゲームはやりそうに無いからな……………。俺はそう思いながら美暮も『ドライズ・オンライン』がベースである事を確認する。美暮は『グラントムボーイズ』というアプリも入れていたらしいが、他の2人も入れていた『ドライズ・オンライン』の方が優先されたらしいと嘆いていた。
「それじゃあ最初に引くが………………とりあえず『新生活応援ガチャ』にしておくべきやな……………。まともな物が出やすそうやし。」
『確かに変な物は出にくいな。いや、性能的に変な物は出るかもしれないが。』
「………………………まぁ、無難な物を選ぶべきだろうな…………。少なくとも一色が一瞬だけタップしそうになった『リューイーソー系ガチャ』では使いにくい物ばかり出てきそうだ。」
まぁ、緑色の物ばかり出るガチャからまともな物ばかり出てくるとは限らないからな……………。いや、ガチャの中のラインナップが見れない事が一番の問題だと思うけどなと感じながら、緑がガチャを引くのを見守るのだった。