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織村隆一郎と墓参り-4

『…………………………分かりました。まぁ、時期と記憶からして私と出会う前の出来事ですし、黒華鉄さんにも恋愛感情は無い…………という事ですから不問にします。………………けど、黒華鉄さんが女性だとは思いませんでしたよ。………………宮永さんが露出狂に近い思想だった事と同じくらいに。』

『その辺のカミングアウトはしなくても良かったんじゃないでしょうか…………………。』


十分程かかったが、クラリスに誤解は解いて貰えたのでホッとする。…………………だが、俺達にとっては黒華鉄が男である事が普通であり、女と言われると違和感がある……………いや、黒木は師弟関係だった執事から黒華鉄が女だと知っていたので生徒会全員が知らなかったとはならないが。


「遺影の代わりでは無いが、中学時代の写真がある……………見るか?これを見れば違和感は無くなると思う。というか、黒華鉄は髪を長くしていた筈だが………………短くしたのか?」

「そうだろうな。俺が帝高校内で見かけた時、髪は短くなっていたからな…………………。それに男子の制服だから普通に男だと思っていたよ。」


だが、狩綱の出した写真には髪が膝まで伸びておりながら、女子の制服を身に纏った黒華鉄がいた。ただ、男子の制服を着ていれば髪を伸ばした男にも見えてしまう雰囲気もあった。まぁ、女子の制服の為女性に見えるのだけど。


「だが、誰も黒華鉄に近付かなかったのか?少なくとも元御曹司が女子の制服着ているんだ。その辺りには突っ込む人間はいなかったのか?」

「………………………………帝高校に通っていたからお前は知らないかもしれないが、黒華鉄は母親を亡くした後に家を追い出されて行方不明とされていたんだ。美華家の悪行が露見するのを恐れた美華家当主によってな…………………。だから殆どの人間は異性同名の別人だと勘違いした訳だ。まぁ、その方が都合が良いから気付いていた俺達も黙っていたんだが。」

「黒華鉄が本物であると気付いたとしても、美華家の経営は傾き始めているから取り入ろうとも思わないだろうしな……………。黒華鉄は自分の信頼している使用人の安否は心配しても、実の親でもある父親とその後妻兼元妾、異母兄弟の心配はしていないし、戻る気も無かったから利用しようとしている奴等に擦り寄る事も無かったしな。」


まぁ、黒華鉄家の優秀な使用人達は既に美華家を離れているので、黒華鉄が心配するような事は無いのだろうと思いながら、会話を続けるのだった。

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