織村隆一郎とメテオ・エンペラー事件-4
「まぁ、あれから2年近く経って安定した頃に会社の合併などがあって新しい財団も出て来たんだが………………ここら辺は関係ないな。」
「いや、かなり気になる事なんだが……………後で話を聞こう。」
その後は俺達がいなくなってからの2年間の間に何があったのかを色々と話して貰った。まぁ、狩綱の話は俺が目の前にいるからか仁美の事が殆どだった。まぁ、狩綱にとっては自分が生徒会長をしていた学園の生徒なのだから描写が細かいのだろうと感じた。
「…………………………それで、僕達がここに来た理由なのですが………。」
「あぁ、それは聞いていなかったな…………。というか、来るべくして来た訳でも無いだろうから、過程を教えてくれないか?」
「分かりました。狩綱会長に任せます……………。」
天部が切り出した筈なのに説明は狩綱にさせるのか…………と思ってしまうが、狩綱の方がより詳しい説明をしてくれるだろうと思ったのだ。……………話を振られた狩綱は半ば呆れているような感じだったがな……………。
「言い忘れていたんだが、『メテオ・エンペラー事件』の1年後に慰霊碑的な感じで墓が建てられたんだ。とはいえ、殆どの生徒は先祖代々の墓に入れられた。実際織村達の様な生徒達は全員親元に引き取られてるからな…………。あの慰霊碑の中で眠ってるのは一部の身寄りの無い教師と黒華鉄位だな。蔵鮫家のメイドは蔵鮫家で引き取られたがな。」
『……………………………娘の事を理解しているのか、それとも親公認だったのかと疑問はのこるが………………慰霊碑の中で窮屈にならなくて良かったな…………………。』
黒木はその様にコメントを返してきたが、黒木のご両親は生きていたので、本来なら黒木家の墓に入るのが普通なのでは?と思っていたのだが、蔵鮫の両親が黒木の両親に説明して蔵鮫と黒木を結婚したという事にし、夫婦として墓にいれたという事らしい。
…………………ちなみにこの説明は狩綱では無く美暮からの説明なのだった。そしてそれを聞いて蔵鮫はこちらの世界でもと詰め寄り、黒木はそれを制止している様子がしばらくの間続いたのだった。
「それで、俺達は『メテオ・エンペラー事件』のほとぼりが冷めた頃、帝高校の跡地に行ったんだよ。学年は違えど同じ中学の生徒だった者としてな…………………。」
「いや、ちょっと待て。俺にはお前と中学が同じだった者が帝高校に通っていたとは思えないんだが…………。帝高校は黒木と黒華鉄を除けば帝高校付属中学からの奴だけだぞ?お前は皇学園中等部に通っていたのだから…………………って、まさか………………。」
そういえば皇学園って成績が良ければ学費と制服など必需品の免除もあるんだったな………………と思いながら俺はチャットの方に視線を向けるのだった。