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織村隆一郎とメテオ・エンペラー事件-3

「………………………悪用っていうのはあれか?優秀な生徒の意志を無視してでも養子として迎え入れようとしたのか?」

「そうだな。子沢山で一番余裕のある筈の美華家がそうなったからな………………。まぁ、使用人がごっそりと止めた事も関係しているかもしれない。特に執事長のセバスとメイド長の松葉、料理長の霧村がいなくなったのが痛いのだろう。」


…………………………そういえば美華家の使用人の殆どは黒華鉄家時代からいる者や、黒華鉄の母親のカリスマ性に惹かれて雇われていた様な人間ばかりだったな………………。恐らく、黒華鉄が亡くなった事で美華家に留まる理由も無くなったのだろうと思う。


「……………だからと言って、嫌々言っとる生徒を養子に迎えようとするのはおかしいと思ったで。俺も養子に迎えてやるとか命令する様な感じで言われたけどな、道連れになるのは嫌やけん断ったわ。傾いてる企業維持しようとしてるのがバレバレやし。」

「………………………それは否定できないかもな…………。」


緑の主張があながち間違っていないと思えるのは、黒華鉄から話を聞いていたからだろう。まぁ、黒華鉄のままだったならばこうはならなかったかもしれないのも事実なんだよな…………。黒華鉄家はゆっくりと鉱山の資源を使っているので長続きするが、美華家の場合は湯水の様に使っていたから、傾くのも仕方ないのだろう。


『黒華鉄家の時は貯めた金は質素に使うから消費が少ない分貯まるのが速いし量も多かった。まぁ、鉱山の方は2つほどのリスク回避が近い。1つ目は鉱山での事故の防止、もう1つはストライキやら過労死等の労働者関連の問題の防止だな。それを無視した美華家が傾いても仕方ないかもな。』


これが黒華鉄のコメントである。正直に言うと黒華鉄は家を追い出された為経営には無関係だが、この様な経営をしているのは黒華鉄の父親である。………………………まぁ、この父親も最初は黒華鉄家のやり方でやっていたのだろうと思うがな…………………。


「でも結局美華家は皇学園から養子を取る事は無理だったわ。子供はまだそこまで大きくは無いけど4人ほどおるし。性格めっちゃ悪いと評判やけど。」

「……………………………………まぁ、あの美華の兄妹だからな…………。」

「そうですね………………あの美華の兄妹ですもんね……………。」


俺と照島姉はそれで納得せざるを得なかった。まぁ、あの兄を反面教師にしている奴がいれば評判が悪くはならないのも事実なのだが、黒華鉄の書き込みから、赤ん坊でさえ便乗して罵ってくるので彼等の性格には救いが無いとも感じるのだった。

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