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織村隆一郎とメテオ・エンペラー事件-1

『メテオ・エンペラー事件』は帝高校の生徒と教師が巨大な隕石によって死亡したという安直な名付け方ではあるが、世間での定着が早かった為、この名付けで正しかったのだろう。事件としての時間は5分にも満たないのだがな。


「まず最初に発狂したのが当時3年生だった生徒の両親だったな。織村の両親はもう少しでお前と供に仕事が出来ると思っていたのに………………と泣いていたぞ。照島家の方も同じ感情だっただろうが、跡取りをどうするかという問題を全面に出して気を紛らわせていたな。」

「…………………………………まぁ、そうだろうな。俺も転生した直後はそう思ったよ。…………………というか大学の4年分も「もう少し」の範囲内かよ…………………。」


息子である俺が死んで一気に時間が進んでしまったのだろうか?と思える。よく聞く話なのかは分からないが、子供が死ぬと、子供が成長した姿を想像する。それは子供が死んだ時期よりもかなり先の部分までが走馬燈の様に流れ込むらしい。………悲しみやら憔悴感が高ければ高いほど長く精密に流れるという噂もある為、両親がかなり落ち込んでいた事が分かる。仁美がいる分、立ち直るのは早いかもしれないが。


「まぁ、発狂したのは警察やマスコミも同じだったな。最初は宇宙ステーションやら宇宙開発センター等の観測隊が本当に予測や観測が出来なかったと分かっていなかったからな…………………。それを証明して落ち着く迄に10日ほどかかったぞ……………。」

「でも観測出来なかった理由が分かっていないんですよね…………。織村さんの話を聞くと視認は出来たらしいですし、帝高校のあった位置だと余程の事が無い限り隕石を止める為の機体に当たって爆散すると思うのですが……………」


天部のいう事は聞いたことは無いが、事実なのだろう。セキュリュティを完璧にする為にどの様な災害や侵入者にも対応できるようなシステムを導入していた。それは宇宙からの物でも同じだったようだ。帝高校の第一期卒業生の中には宇宙開発関連の事を生業とする財閥の御曹司がいたからな………………。


「もしかしたら、宇宙では視認出来ないような何かがある隕石だったのかもしれませんね。…………………まぁ、隕石の可能性は宇宙と同じくらいですから……………でも軌道だけは納得できない気もしますけどね……………。」

「まぁ、可能性がどうだとしても……………………その隕石で帝高校の生徒が死んでしまった事実は変わらない。だから二度とそんな事が起きないように国は隕石を回収しようとしたのだが………2年経った時でも回収はむりだったよ。」


狩綱は天部の意見に賛同するも、今はその話題では無いと脱線しかけた話の流れを元に戻してから、事件の不可解な点を次々と上げていくのだった。

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