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織村隆一郎と転移者-1

上から落ちてきた物の落下地点には、何かの演出の為に力が使われているのだろうと思えるような程不自然な砂埃がたっていた。簡単に言えばオーラの様に落下地点に漂っているのだ。もしかしたらモンスターかもしれないと俺は『火魔法』を撃てるように警戒し、照島姉は刀にそっと手を添えた。


だが、砂埃が晴れた所で見えたのは見覚えのある制服だった。灰色のブレザーに紺のネクタイ。そして、胸ポケットに付けられた『皇』の字をモチーフにした校章……………………………噂をすればなんとやらだがそれは次元を超える物なのかと思いながら俺は落ちてきた奴等の顔を改めて確認した。


「…………………………なぜ帝高校の生徒会長だったお前がここにいるんだ?織村……………………。それにもう1人も帝高校の生徒だ。死んだ筈のお前等がなんでこんな所で生きているんだ?」

「それはこちらが聞きたいよ、皇学園生徒会会長の狩綱かりづな 鷹人たかと。それにそちらにいる名前の知らない3名もな………………………。」


狩綱は俺より1つ下でありながらも、その実力と人望により1年生の後期から皇学園の生徒会長を勤めていた。その為俺は転生した頃にも彼が生徒会長を務めていると思っていた。その為俺は狩綱の驚愕した表情に気がつかなかった。


「何を言ってるんだ?織村程の人間が間違えるはずが……………いや、俺がおかしいのか?だが……………。」

「俺がおかしな事を言ったのか?狩綱……………いや、俺達が死んだと言っていたが………………。狩綱、お前は今何歳だ?俺達が死んでからどれくらい立っている!?」


俺がそう言うと、狩綱はゆっくりと話し始めた。それは後ろにいる3名も暗い顔をしている為、かなりの時間が経っているのだろうと感じていた。少なくとも俺達のいる世界と前にいた世界が同じ時間の流れで進んでいるという甘い考えは無かった。


「……………………俺は元生徒会長になっている。簡単に言えば俺はもうすぐ卒業する………………というか、卒業式の前日だった。ここまで言えば分かるよな?」

「あぁ、その覚悟はしていたが…………………そこまでたっていたのか。しかし、見た目が全然変わらないな狩綱は…………………。」


まさかの2年近くの時が流れていた。俺達が隕石によって死んだのが始業式の頃なので間違っていないだろう。だが、俺と照島姉はその流れを残酷だと感じてしまう。こちらではほんの数日だった時間が向こうでは2年近くたっていたのだ。もし、これを知っていたならば死者を減らせたかもしれないと考えてしまう俺は甘いのだろうかとも思いながら、俺達は狩綱から当時の話を聞くのだった。


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