二日目の朝-1
目を覚ましたら包帯ぐるぐる巻きで病院のベッドにいました………………なんて事も無く、テントの中でネグリジェを着て蓑を布団代わりに眠っていたという昨日と何も変わらない形だった。
…………………とりあえず『帝高校チャット』を見てもテントを発見したという情報は無く、謎の追跡者みたいなのは振り切った……………という感じだった。…………だが、いつまでもテントの中に引きこもっているわけにはいかないと思い、『天狗の隠れ蓑』をウエストポーチに仕舞い、『獣避けのネグリジェ』を脱ぐ。
そして、どちらかと言えば乾いているという下着とカッターシャツを着てからウエストポーチに入れていたブレザーとズボンを取り出す。それから、実験として入れていたハンカチだが……………ものの見事に湿ったままだった。
………………………とりあえず、もう一回11連ガチャをしようと思いながら、私は朝食を作るために『飯盒型炊飯ジャー』と『清水の水差し』、それにササニシキ1㎏の袋を取り出した。そして茶碗一杯分の米を『飯盒型炊飯ジャー』に入れてからスイッチを押す。
火もいらなければ従来の飯盒の様に失敗して堅いブロックみたいになってしまう必要も無いという夢のような飯盒なのだが、異世界で見るデザインとしてはどうよ?と思ってしまう。………………まぁ、便利なのは『簡易テント』と同じだからこれ以上のコメントは無いけどね……………。
「…………………あの追ってとかがいなかったら川の魚を大量に捕まえていたんだろうかね……………?いや、あそこの魚は食える美味さなのかは知らないけど。」
そう思いながら私は『飯盒型炊飯ジャー』からピーと音がしたのを聞いて、飯盒の蓋を開けた。するとそこには美味しそうな白いご飯が出来上がっており、私はそれを夢中で食べていた。……………贅沢を言うならばふりかけや卵が欲しい!!と思ってしまう。
一応レトルトカレーはあるのだが、電子レンジは無く火を起こすことも出来ないためボイルも出来ない。他にある食材はお握りだけのため、私はやむなく白米だけで朝食を終わらせた。そして『清水の水差し』を使って茶碗や『飯盒型炊飯ジャー』を洗ってからウエストポーチに入れた。
………………さて、朝食を食べ終わったのでもう一回あのガチャをやろうと、私はスマホを取り出した。そして『新生活応援ガチャ』をもう一度引いてみた。今回はお役立ちアイテムボックスなどが無くなっていた。どうやらあの二つは初日限定だったらしい。
…………………まぁ、そんな事は関係なく私の11連ガチャチケットの枚数は残り12枚となるのだった。…………………このペースで使うのは少し危険じゃないか?とも思いつつ、私はガチャの結果を見るのだった。