表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/922

織村隆一郎と照島聡美-2

 あれからシガー郷を審判として照島姉と(略)シシフィートの決闘が始まった。まぁ、この時には照島姉が瞬殺して終わると思っていた。階級だけで言えば照島姉の方が上であり、体格も日本舞踊をやっていた照島姉の方が鍛えられていたからである。


 だが、照島姉は(略)シシフィートにより屈辱的な攻め方をされていた。………………ちなみに、立会人となっている照島は明後日の方向を向いていた。簡単に言えば照島姉のやっているのは歌舞伎等の舞台で行われる様な、互角の戦いを演じる為の殺陣だったのだ。時代劇の方でイメージするのは一網打尽一騎当千と言った様なシーンばかりの為、歌舞伎と比喩したのであるので、時代劇に互角の戦いが無いわけでは無いが。


 後から照島に聞いたのだが、明後日の方向を向いた原因は殺陣をやりたくてフラストレーション溜まっていた筈なのに、殺陣をやれた後に別の意味でフラストレーションが溜まったのを、感じ取ったかららしい。そして、さらに苦労させられると思ったかららしい。まぁ、ブラック企業並の待遇である『ラクタガ鍛冶店』で働くよりはマシだからと諦めていたが。


「……………………とゆーか、(略)シシフィートは全力でやってる筈だろ………………。どれだけ弱いんだよ……………まるでベテラン役者と大根役者レベルの差になっちまってるぞ…………。」

「まぁ、それだけ実力が違うのだろうな。それに(略)シシフィート殿と照島殿の武器では質が違いすぎるのです。まぁ、あの様な武器を(略)シシフィート殿は扱えないでしょうけどな。」


シガー郷の言葉は利にかなっている。パッと見照島姉と(略)シシフィートの体形は同じだが、照島姉は鍛えているのか引き締まっている。逆に(略)シシフィートは脂肪は付いていないが、代わりに筋肉も付いていない。最低限度の筋肉が皮膚を押し上げている雰囲気があるのだった。


「…………………………にしても、いつまで遊ぶつもりなんだ」

「まぁ、遊んでるというかなんというか……………完全に心を折りに行ってますよ?まぁ、それ位しないとまた勧誘してきそうですからね……………。」

「だが、もうそろそろ殺陣も終わるだろうよ。何回か刀で攻撃を受けている内に(略)シシフィートの剣がかなりボロボロになっているからな。……………そもそもあの剣はなんの素材で出来てるんだ…………。」


俺はそう思いながら、剣を躱してから距離を取ったりして、避けきれない時にはそのまま刀で受けたりする照島姉を見る。……………照島姉を見ると、つまらなそうな顔になっていた。それを確認した直後………………照島姉の一降りで(略)シシフィートの武器は粉々に砕け散ったのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ