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織村隆一郎と鍛冶屋の事情-5

「というか、貴方は聡のなんなんですか!?まさか恋人やら幼馴染とか言う訳ではありませんよね!?私と聡の仲を邪魔しないでください!!」


『ラクタガ鍛冶店』の店長の娘はまるで恋敵を見るような目で照島姉を見ていた。…………………………恋人では無いが、幼馴染というのは合っているかもしれないな。照島と照島姉は双子なのだから。


「そういえばそんな事言われてましたね………………。恋人はいるのかとかなんやらと。僕には彼女を恋愛対象として見る事すらしていないので何も言わなかったのですが。」

「多分跡取りが欲しいんじゃろうよ。話を聞く限り『ラクタガ鍛冶店』の店長の子供はあの娘1人じゃろうし、今勤めている職人は年配の奴ばっかりで若い奴等も捕まらないわけじゃ。」

「だからと言って話が飛躍しすぎだと思うぞ……………。あの娘、かなり拗らせているな………………。どこかで似たような場面を見たことがある気がするが。」


少し記憶を掘り返してみると、どこかのパーティーで見た事を思い出した。後に美倉家強制婿取り未遂騒動と呼ばれた物に似ている。……………………まぁ、あの時俺は小学生でしかも遠巻きに見ていただけなのでここまでバイオレンスな事だとは思わなかったのだけど。


「まぁ、初めて話しかけられた時に思ったのは仕事が出来ない事は無いって言葉ですね。良く捉えれば廃業する事は無いという意味ですが、休む時間も無いほど仕事をやらされるとも言えますからね……………」

「恐らく後者であっているだろうな、あの娘の話を聞く限り。…………………というか、アイツの名前ってなんだっけ?店主の名前はバルカーという事は分かっているんだが。」

「…………………長いですよ、彼女の名前は。従業員の方が間違えると炉の中に腹を浸けさせられますからね……………。まぁ、僕は従業員で無いのでフルネームを覚えていませんが。一応紙に書いたので見ますか?」


いや、名前が長い事よりも炉に腹を浸けさせられるという事に驚いてしまうのだが……………。流石に四肢を駄目にすれば仕事にならない事と顔にやればすぐに悪事がバレる事が原因なのだろう。……………だが、名前を間違えた位でそれはやり過ぎなのは間違いないのだけど。


「彼女の名前は、ポンツーン・レワト・ヨウシェーコ・イレブク・ズダラ・カバホア・イレドーソ・ラクタガ・ガレン・シシフィートですね。名前の由来というか付け方は最後の2つ以外は各曾祖母と祖父母と両親などから1つずつもらい受けたという感じで、後になれば成る程名前が長くなるから手に負えませんよ。正直、最後の名字とその前の名前でいいじゃないですかとも思いますけど。」


…………………………ラクタガって名字などでは無く血縁の誰かの名前なのかと思ってしまう俺なのだった。……………というか、同性の双子だった場合、とてもややこしい事になりそうだな……………とも思いながら俺は照島姉とシシフィートの争いに変化が起こりそうだという事を感じるのだった。

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