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織村隆一郎と鍛冶屋の事情-4

「………………………大体、『ラクタガ鍛冶店』で働いていたら暮雲者ギルドと兼業出来ません。『ブラックスミス』での給料は『ラクタガ鍛冶店』より低いですが…………………………………その分休みも自由な時間も少ないですからね…………。」


成る程……………………『ラクタガ鍛冶店』は所謂ブラック企業だったわけか……………。いや、『ブラックスミス』の方が緩い企業なのか…………?と感じた。まぁ、どちらでも良いかと思いながら俺は照島と『ラクタガ鍛冶店』店主の娘のやり取りを見ているのだった。


俺はこの様な事には慣れているので静観している事は出来るのだが、照島姉はあまり慣れていないのか、2人の喧嘩の中に入っていくのだった。……………先程完成した刀を持ちながらであるが。


「さっきから入れ入れと強制しているけれど、その条件がどれだけ失礼で迷惑な事か考えた事は無いのでしょうか?いや、有るよなぁ!ゴラァ!!」

「何で私と聡の間に入り込んでんだ!!『ブラックスミス』も『バッカーノン』にも火付けて廃業にして取り込んでやろうか!?それくらいの権力がこちらにはあるんだよ!!」

「権力じゃなくて実行力だろうが!!後火ぃ付けたらお前のとこの店潰すからな!!バルカーだけの時は甘い対応だっただろうが、私がいれば店潰す事は朝飯前だ。万年9級クラスの武器しか作れない奴等は店から解放してやるよ!!」


…………………………………………………………………………えーっと、『ラクタガ鍛冶店』の娘と罵りあっているのは照島姉なんだよな?と思っていると、照島が頭を抱えていた。その反応を見ると、俺の目はおかしくなった訳では無いらしい。


「姉様は静かに怒る事を心掛けていたそうですが、流石にあの娘相手だと無理だと思いましたね。どれだけ静かな炎でも一気に油を注がれれば大きく激しい炎になりますから。」

「………………………戦闘以外にもフラストレーション溜めてたのか………………。苦労しすぎだろとは思うが、これは仕方の無い事なのか?」

「そうなりますね。でもまぁ、僕に矛先が向いていないので耐えられますけどね………………。ほら、漫画やラノベではその性格で虐げられるのは身内じゃないですか。」


………………………………………………いや、打ち粉とか小太刀とかの作成もやらされてるお前も十分虐げられていると思うのは気のせいか?と問いたくなったが、俺はそうしないでおいた。なんせ、『ラクタガ鍛冶店』の娘の論点は的外れなところに変化してしまった。そんな中でこの質問は余計な混乱を招きそうだと思ったからである。


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