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織村隆一郎と鍛冶屋の事情-2

店主の息子夫妻のかたきとなった『ダイモンオーガ』が討伐されたのはつい最近らしい。まぁ、ダイヤの様に硬い体を持ち、『貫通無効』のスキルもある事もあり中々討伐は出来なかったのだろう。………………もっとも、それを倒したのは我等が戦闘狂、照島姉が討伐したらしいのだが、その話は今は置いておこう。


「…………………………………いきなり暗い話になったが………そう気負わないで貰いたいのぉ。当時のビーバはかなり落ちこんどったが、それを支えたのがルナントじゃし。まぁ、アトリエをいくつも作るのはどうかとも思うがの。」


店主のその言葉を聞いて安心する。…………………しかし、店主の息子夫婦は、娘だけ残して亡くなってしまうというのはあまりにも無念な気持ちになっただろうと考え込んでしまうのもまた事実だったのだ。


「……………………まぁ、ビーバが家具職人になったのは鍛冶から離れるためじゃったな。両親の事を思い出してしまうからと…………始めた当初は木を削った物だけで家具を作っていたのからも明らかじゃろう。」

「でも冷蔵庫とか明らかに金属製の物があったから、鍛冶に歩み寄ったのか?」

「その通りじゃ。完全に両親の事を忘れ去ったのでは無く、乗り越えたというのが正しいじゃろうな。それに金属を加工して家具を作る事に生き甲斐を感じているのじゃろうし。………………生き甲斐というには行き過ぎているとも思うのじゃがな。」


まぁ、アトリエという名の家をいくつか持っていればそうなるだろう。………………それに、家具作りの為に使う『密金石』の価値を誤魔化さずに全額払おうとした情熱もあるからな…………。その結果アトリエの1つを失うという事も有る為、度が過ぎているとも言えるかもしれない。


「まぁ、作るのが家具だけじゃが鍛冶の方面にも力を入れ始めたからのぉ………………。儂の所によく遊びに来るようになったのじゃ。月に一度位じゃが。今はルナントと同棲しておるしからの………。いつになったら結婚するのかひやひやさせられとるわい。」

「………………………それにしては嬉しそうですが…………?」

「まぁ、鍛冶以外の楽しみがこれ位しか無いからのぉ…………それに、暫く疎遠になってしまっていた事もあるから色々あるんじゃよ。」


一時的にであるとは思うが、疎遠になっていた理由は王国騎士団からの依頼の時だろう。あの『ラクタガ鍛冶店』に妨害されてただのメンテナンスでは無く、1から全部作り直すことになったという期間…………………。そのとばっちりで孫と疎遠になると、原因の元となった『ラクタガ鍛冶店』には良いイメージが出て来なくなるなと思ってしまうのだった。

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