新生活応援ガチャ-6
体を軽く洗った後、私は『獣避けのネグリジェ』に着替えてからある事に気付いた。テントを張ったのは良いのだが、布団の様な物が無いのだ。……………ネグリジェは薄い素材で出来ているために何か羽織らないと寒くなるだろうが、制服を羽織る訳にもいかない為、私はある物を取り出した。
『天狗の隠れ蓑』である。………………いや、そんなの羽織ったらネグリジェが破れる可能性もあるし、そもそも暖かくならないだろう……………ついでに言えば、寝心地が悪すぎない?とのコメントもあるだろうが………………仕方の無い事だ。
せめて簡易テントに寝袋がセットで着いてきてくれればどうにかなったのだけど、そうもいかない事情が出来た為に私は苦し紛れの策を使うことになったのだった……………………。うん、明日絶対に町に行こう。そして生活用品を揃えよう……………。
そう思いながら私は『天狗の隠れ蓑』を羽織って眠るのだった…………………やっぱり蓑特有のトゲトゲが痛い………………が、しかし少しだけ暖かい………………いや、どちらかと言うと寒さを緩和しているというのが正しいような……………。
そう思いながら私はテントの中で一晩過ごすのだった……………。ちなみにウエストポーチはネグリジェを着た下に腹巻きのような感じで巻き付けている。後、刀は試してみたらスマホと同じく手のひらに仕舞うことが出来たので盗られる心配は無いだろうと思う。
………………………ただ、下着や着替えなどの問題がなぁ……………と思ってしまう。今はネグリジェを着ているが、高校の制服はブレザーの下のカッターシャツ以外は水洗い不可という物で有り、今は水洗いできたとしても乾かす術も無いのだ。
一応ウエストポーチには水洗い出来る物を洗った後に入れてみたのだけど……………濡れてはいないが湿っているという感触があった為、ウエストポーチを使うのはあまり得策では無いなぁ…………と考えてしまう。
今回は仕方ないためテントに下着やカッターシャツは出して部屋干しみたくしているが、実験として入れてみたハンカチが時間経過で無事に乾くかどうかによって私の今後の活動方針が違ってくるのだ。……………………まぁ、搾取される活動よりはマシかもしれないから文句は言わないけれども。
私はそう思いながら、『帝高校チャット』のログの一つ、『能力者だと言ったら救世主じゃ無くてATMになった』という物を見る。会長などのリーダーシップを発揮する者がいない場所ではこの様な事も起こるだろうなぁ……………と思いながら私は深い眠りに落ちるのだった。ちゃんとスマホは手のひらに仕舞いましたけどね。