織村隆一郎と刀-4
店主に混じって木片の片付けを始めると、照島から話題を振られた。まぁ、ただ黙々と掃除するというのは木が気が滅入る作業だからなぁ……………と思っていると、照島はこう言い始めたのだった。
「…………………そういえば会長はどちらの宿に泊まっているんですか?僕はここに住み込みですけが、姉様は宿なので………………。」
「いや、家を報酬として貰ったからな……………。そこに群雲と御子柴で住んでいる。これから仁道先生や蕪子先生、照島姉も入居する事になるだろうと考えている。」
「……………………会長、愛人とか囲うのでは無いですよね?」
「普通に考えればそうで無い事には気付くだろ…………。俺はクラリス以外の女性と仲良くはなっても恋愛的に深い仲にはならないぞ………………。金持ちだからと言って愛人囲いまくって良い理由にはならないしな。」
とゆーか浮気したらクラリスに殺されると考えても良いだろう。それは肉体的の前に経済的に、精神的にとなるだろうし。…………………まぁ、群雲は気の良い男友達の感覚で照島姉は戦闘狂という印象が強いので恋愛対象として見る事は無いだろう。
「…………………………とゆーか、よくよく考えたら男4人に女2人って元の世界から見ればかなり不純だ!!とか叫ばれそうだな………。ここではクラン=シェアハウスという感じにもなりつつある傾向だからそこまで騒がれないけど。」
「………………あぁ、そういう………感じですか………。でも家が報酬ってどれだけ太っ腹な依頼人だったんですか…………?」
照島は『まさかトイレットペーパーの時の様に騙しつつも騙してない理論を使って奪った訳ではないでよね?』といった冷たい目をこちらに向けていた。完全にトイレットペーパーの時の事を引きずっている様な視線だった。
いや、太っ腹な依頼人だったわけでも無ければ騙した訳でも無いんだがな…………と思いながら俺は元家主のビーバから払えない追加報酬の金の代わりに受け取ったと説明するのだった。
「…………ルナントの奴も大変じゃの……………。」
「バルカーさん、なんでそこでルナントの名前が出てくるんですか?普通ならビーバが大変じゃのと言う様な場面ですが…………。」
「そりゃあ家具職人のビーバは儂の孫で、ルナントはその婚約者じゃからの………………。」
…………………………まぁ、ビーバという人間がどの様な人物なのかという事を知らない俺はその事を深く追求するつもりは無かったのだが、店主はおもむろに話し始めるのだった。