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織村隆一郎と刀-3

俺があのトラウマから立ち直った時、照島姉が居合いを披露していた。もしかしたらスキルを覚えていたのかもしれないが、的にされていた木材は軽く切り落とされたのだった。


「普通サイズの刀はバルカーさんに作って貰ったけど、小太刀や太刀に関しては聡が作りなさい。バルカーさんの方が良い武器を作れるだろうけど、聡はそれを超えないといけないでしょう?」

「…………………………それ言われると努力しないととは思うけど………それ量産する人間が欲しいだけだよね!?狩猟7級に上がったから武器の消耗ペースが早まるからだよね!!」

「そうとも言いますね。まぁ、流石に全滅したら数日休む事は…………ありますけど。」


……………………休むと言った時、照島姉は僅かに目を逸らしていた。恐らく、武器が全滅した時でも戦える様に仁道先生の様に合気道などの格闘技でモンスターを倒そうと思っているのかもしれない。もしくは『バッカーノン』で何かしらの武器を既に持っているか……………。


「…………………にしても、居合い斬り上手いな……………。照島の家の方で習ってたのか?」

「いえ、自己流というか……………恐らくスキルでしょう。それに、私の居合いはまだまだですよ。切断した所がスッキリしていなくてかなりボロボロですし……………。」

「いや、会長。先に気にするのはなんでこんな所で居合いしているかでしょ!?なんで平然としていられるんですか!!普通に考えたら自分達が斬られるとは思わないんですか!!」

「……………それもそうだな。まぁ、あれよりはマシな感じだと思うとな………………。あの惨殺死体を見た後なら大抵の死に方には恐怖が無くなるんだよ。」


無論、恐ろしい死に方というのは黒華鉄の出したあの画像の事である。あれは魔王討伐を抑制させる為にやった物だろうが、凶器になる物が一斉に襲いかかってくるというのはかなりの恐怖の筈だ。ただ、その前に黒華鉄は美華を殺した狼を殺してるんだよな……………。


「まぁ、普通に考えたらそんな死に方はしたくありませんけど、だから居合い斬りの練習?中に間違って斬られて死にましたという悲惨な結末なら受け入れても良いとは考えないでくださいよ……………。会長が死んだら悲しむ人は多いんですからね。」


照島はそう言いながら木片を片付けるのだった。………………これは後から聞いた話だが、照島姉が居合い斬りをした木材の出所は薪木らしい。それを照島姉曰く中途半端な居合い斬りをしたせいで木の皮や粉が散らばってしまっていた。それを店主は黙々と片付けているのだった。

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