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織村隆一郎とチャット-5

学園長からはひたすら母親に甘え続ける黒華鉄や、ただただ無邪気に遊び回る黒華鉄の事を話され、いったいどうすればあの様な冷酷な男装少女になれるんだ!!と嘘だと思う程の物だった。無論、事実ならば黒華鉄が黒歴史だと頭を抱えそうな程の。


『……………………そこまで可愛かったならなぜ引き取ろうとか思わなかったんですか?』

『…………つーちゃんには母親だけが頼れる人だったという方が良かったんですよ。もし私が引き取っていたら美華家はつーちゃんを利用しようとして、さらに傷つくだけですから。帝学園の学園長の養子というだけで利用価値を見出す人は多いですからね………。』

『それよりは元令嬢で一般人の方が良いでしょう。まぁ、彼女の近くに怪しい勧誘が来ないようにはしていましたけどね。』


そこで俺は『同人誌のネタみたいになりそうですからね』と打ち込みそうになって危うく止めた。もし打ち込んでいたら俺は超遠距離という壁があったとしても屍と化してしまっただろうと思う。主に黒華鉄とクラリスの攻撃で…………………だ。


『その時の写真がこんな感じでして……………なんというか、可愛さもありますけど昔より薄れてしまったなぁ…………という感じでしたよ。まぁ、女性らしい趣味も出来ていたそうですしね。』

『そうなんですか………………。でも、先程の写真と比べると可愛いというよりは綺麗という雰囲気ですよね…………。まぁ、幼稚園児と中学生を比べればそうなるのは当たり前だと思いますけど。』


そう書き込みながら俺は中学時代の黒華鉄を見る。髪が伸ばしっぱなしであり、一応手入れはしていたのだろうが少し跳ねている。しかし、雰囲気から綺麗だという様になっていた。ただ、なぜここに来る前に髪を切ったのかは俺には分からなかった。


『…………………まぁ、昔は高校等の保証人が必要になる頃に養子にしようとも思ったのですが……………。今となっては、その必要は無さそうですからね……………それに、つーちゃんの母親はあの子だけで良いという事も本当は分かっていましたからね…………。』


その後、学園長の姿が見えなくとも分かる程の憤慨を俺とのチャットに書き綴っていた。怒りを向けている相手は俺では無く別の人間なのは分かりきっていたのが、それでも恐怖を覚えてしまうのは事実だった。…………………まぁ、見当外れでは無いのがまた……という感じになっているのだった。


ただ、同じような事をされれば俺もそうなってしまうかもなという事も感じながらその、書き込みを読むのだった。

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