織村隆一郎と平行な夢-2
「………………………そういえば、クラリス達は何処に行ってるんだ?」
「あぁ、アイツ等なら黒華鉄を連れて服飾棟の方に行ったぞ。なんでも、黒華鉄に似合うドレスやらを検証するそうだ。」
「確かに、生徒会はちょくちょく大きなパーティーに出る事が多いからな………。パーティー用のドレスくらいは持たせないと行けないだろう。まぁ黒華鉄なら、ドレスはドレスでも、ドレススーツが似合ったりしそうだけどな……………黒木はどう思う?」
俺は黒木にそう質問すると、黒木は苦笑いしながらこう言うのだった。…………………まぁ、執事になるつもりが空いていた枠の関係でメイドになった黒木からすれば、ドレスのような服には色々と敏感になる物なのだろう。
「………………………お~い、会長さん………。生徒会はデカいパーティーにも度々参加するなんて話聞いてないぞ………。少なくともパーティーには欠席させてもらう。ドレスなんかな、ドレススーツでも着たくねぇし、制服で良いじゃねーか!!」
「…………………それは私も思ったけど、パーティーの制約の中には制服を正装として認めないという所もあるから一応持って置いた方が………………。まぁ、確かに剣城ちゃんにはスーツの方が似合ってたけど…………。」
「それも、メンズの方ですよ……………。幼少期に男として育っていた影響なのか、それとも生まれついてからの物なのか…………。」
これまでクラリスは蔵鮫や宮永にドレスを選んだりしており、その関係でそれなりに自信があったのだろうが………今回選ぶ相手である黒華鉄はあまりにも異質だったらしく、かなり落ち込んでいた。
「まぁ、ドレスっぽい物を最後に着たのが物心ついていないときというか、母さんが弟どころか子供も産むことが無かったからなんだけどな…………。もし産まれてたら私は女として生かされただろうけどな。」
「………………………………結構複雑なんだね……………。剣城ちゃんの人生って。でもこれからは女性としても生きていけるんだよね?」
「正直恋愛とかどうでも良いけどね………。つーか、引きこもり生活送るつもりだったのにあの糞親父が呼び出しやがったからこんな事になってるわけだからな。」
その後、なんとも言えない空気が残った後…………夢の中だからか一気に時間が進んでいった。………………まぁ、夢の中の為何でもありなのは分かるが、いきなり3日も時が過ぎれば混乱するだろ…………と思いながら夢の続きを見る。そういえば、この夢の中ではそろそろ生徒会が出席するパーティーがあったなと思いながら。