織村隆一郎と就寝-3
心なしかアイテムBOXである革袋が軽くなったと思えるくらいの量の肉やピザを片付け終わったので、地下一階の方へと戻った。すると、地下一階には『細工』や『調薬』などの作業が出来そうな台と、作品を置けそうな棚があった。
「…………………………ここの作業台の装飾が凝っているのは冷蔵庫や冷凍庫の時と違って意味がある物になっているんだな………。まぁ、ある意味一般論なんだが……………。」
「そうですね…………。足場を金でコーティングする事で作業中に台の脚が腐り落ちる事が無くなっていますからね…………。ただここで気になるのはここの金は王水に勝てるのかという事ですかね…。」
「まぁ、ポーション作りに励んでいる人に聞いたのですが、材料が無いから試した事は無いようです。まぁ、職人の方々はそんなヤワな物じゃあ金は溶かせないと笑っていましたけど。」
照島姉がそう言った後、御子柴と群雲もガチャを引こうとしていた。…………………だが、薬品ガチャなる物は存在しなかった為か、すぐにスマホを戻していた。…………………まぁ、薬品ガチャがもしあれば王水はかなり上のレアランクなのだろう。
「……………………………そういえば、黒華鉄からは薬草的な物は一切送られてこないよね………………。まぁ、私達がそう頼める立場では無いことは知っているけど。」
「特に3組達のコメントでな……………。あの罵詈雑言はどこから出せたんだろうな?まぁ、3組の中には黒木と蔵鮫の様なまともな人間もいたんだがな……………。」
まぁ、あの様な暴走や身勝手な行動………………それも自己中心的にやる連中が多ければまとめるのも難しいだろう。俺だって生徒会長ではあるが、あの状態の3組をまとめ上げるのは無理だと思う。……………………3組もここから巻き返せればなんとかなるだろうが、今の俺には何も出来ないと思うのだった。
「………………………会長、感慨にふけっているのは分かりますが、地下一階の施設については確認できたので今日はもう寝ましょう?ベッドなどは2階の個室にそれぞれありますし。」
「そうだな。じゃあ今日はもう寝てしまうか。………………この新居についてはまた生徒や先生の方にも話しておかないと行けないだろうがな………………。」
そんな風に話ながら俺と御子柴、群雲は2階に上がったが、照島姉は既に別の所で宿を取っていたのでそちらで寝ることにしたらしい。……………………なんでも、その宿はベッドでは無く布団が寝具として置かれているらしい。なんとも日舞の家系である照島姉だな……………と感じる俺達なのであった。