織村隆一郎と台所-4
普通に料理をしていれば野菜の皮や肉の骨や残りカスなどのゴミが出てくるのは分かりきった事なのか、ゴミ箱はすぐに見つかった。ただ、デザインが少し上品でありポリバケツの様な構造で無ければただのインテリアとして誤解していたであろうなと思える。
「………………………とりあえず食器は洗ったからとりあえず話をしておこうか。とりあえず俺は生産初段で狩猟は殆どの奴等と変わらない10級だ。まぁ、アルさんが言うには魔法が使いこなせれば5級くらいまでは行けると…………まぁ、今日はドロドロになって帰ったんだがな。」
「そういえばそうでしたね。会長は『サイレントレント』の唾液でドロドロとした格好で帰ってきましたね……………。まぁ、今は乾いていますけどね。」
ただ、ここで気になった事を御子柴に聞いておくことにした。いや、俺がギルドの風呂に入っていたのは一時間にも満たない。それにも関わらず落ちにくい唾液を洗い流した後、新品同様の状態まで乾かすには時間が足りないのだ。
「それは多分、『洗浄石』か『洗浄結晶』を使ったのでしょう。まぁ、時間からして『洗浄石』の可能性が高いですけど。」
「…………………なんか物凄く使いやすそうなアイテムだな………」
「『洗浄石』は『錬金術』で『綺麗な水』以上の水と『魔石』か『魔結晶』で作れますし、『洗浄石』の方は作る以前に鉱山で大量に採取出来ますから便利と言われるのは事実ですけどね。」
御子柴はそう言いながら2つのアイテムについて説明してくれた。この2つのアイテムは、汚れた服や武器などを綺麗にしたいと思いながら使うことで汚れを一掃出来るという物らしい。ただ、2つとも性質が違うらしい。
「石の方は質に関係なく一瞬で効果を発揮しますけど使用回数に制限があります。質が悪いと1回で崩れますから余裕を持って買っておかないといけません。でも、アイテムBOXが無いならば持ち運びに便利な旅道具として使われることが多いらしいです。」
「なるほど…………………。つまり、血で汚れてしまっても何の心配もいらないのですね?」
照島姉がその事で少し興奮していた。……………………殺陣をやりたいと言うのは血が出るような事が好きなのだろうかと錯覚したが、どうやら照島弟の方に色々と説教される為、汚れを取る『洗浄石』が欲しいと感じたのだろう。
そう思いながら俺は御子柴に『洗浄結晶』についての説明を聞くのだった。…………………まぁ、『洗浄石』とはあまりスペックは変わらないのだろうと思いながら話を聞くのだった。