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織村隆一郎と台所-3

「………………………狼肉、美味いな…………………。キチンと味付けされているから余計に旨みがあると感じるぞ……………。」

「まぁ、私達がこのレベルの物を手に入れるには塩や胡椒の他にチーズや小麦粉も必要ですよ?一応小麦粉は手に入ると思いますけど、チーズはあるかすら分かりませんよ?」


まぁ、牛乳はおろか牛や牧場すら見かけたことが無いからな……………。もしかしたらどこかにあるかもしれないが、今まで見てきた中で存在していた飲み物は水と果実を使ったジュースと酒だけだ。…………………まぁ、別の国や町から輸入しているかもしれないのでまだ分からないのだけど。


「……………………そうですね………………。もう少し奥に行けば、牛自体は見つかるかもしれませんね……………………。」

「いや、待て。いつの間にそこにいたんだ?照島姉………。」

「会長達が台所に向かう為に背を向けた辺りですよ。なので黒華鉄家の事も、会長の初恋の相手の事も筒抜けでした。まぁ、言い触らす気は無いですけどね。」

「……………………しかもピザまで食べているし………。まぁ、お腹いっぱいだったからむしろ食べてくれてありがたいとは思いますけど。」

「むしろ私がいなかったと思われたのが不思議です。ピザの時には4等分にしていたので私の事に気がついていたのかと思いましたけど。」


………………………まぁ、確かにピザは4等分に分けた。ピザ用の器具では無く普通のナイフ(群雲製)を使って切ったので少々切り口の所がぐちゃぐちゃになったりはしたが確かに4等分だった。俺達が気付いていないとはいえ4つに切り分けた事は照島姉には4人いるから自分は食べて良いという感じになったのだろうな………。


「そういえば、狩猟9級になったんだっけな……………照島は。」

「明日には狩猟7級への昇格試験がありますけどね。なんでも『ベアエリート』という熊を15匹程倒したら常備依頼だったらしく、そのまま8級に昇格されて明日7級の試験になりました。」

「…………………………どれだけフラストレーション溜まってるんだ?」

「まぁ、その位私は殺陣があるような演目をやりたかったのですよ。今やっているのはやや一方的な舞なのですけどね。」


そう言いながら微笑む照島姉からは、俺が他の女子と仲良さげに話した後に女性からスキンシップがあり、かわしきれなかった後にクラリスが見せる表情に似ていたのだった。まぁ、クラリス程怖くは無いのだけど。


「奥地に行くためにはまだまだ力不足ですし、まだ武器がしっくり来ていないので暫くは調べることは出来ませんが、近い内に調べられるようにしたいと思います。」


照島姉はそう言った後、スマホを操作した。恐らく弟の方に連絡したのだろうと思いながら、ピザの入っていた袋を片付けるのだった。…………………いや、火で燃やして処理は出来ないため台所のゴミ箱がどこにあるかを探すのだった。

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