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織村隆一郎と新居-5

「…………………………いや、私がなぜ知っているかといえば、彼女が一般人をしていた時のアパートが私の親族が経営していたからですね。…………………まぁ、あの美華家のゲス野郎が知らないという事は完全に彼女の事をいらない娘と思っていたのでしょうけどね。」

「………………………そういえば御子柴の会社はアパートの経営もしていたな……………。力を入れてないから家賃が安いとは知っていたが…………………。」


まぁ、あの頃は新しく出て来た美華家の騒動があった為、追い出された少女である黒華鉄の行方など誰も探さなかったのだろう。……………………………実際、御子柴も黒華鉄がアパートに入居していた事を知ったのが美華家の騒動や取引すべき相手かを見極める期間が終了してから1年たった頃だったらしい。


「そのアパートの管理人をしている社員に聞くと、彼では無く彼女だったという報告と、女子の制服を着ている写真があったので、黒華鉄 剣城は女性だと判断したわけです。」

「だが、中学時の成績や美華の事を見れば明らかに黒華鉄の方が優秀だが……………なぜ黒華鉄は捨てられたんだ?」

「それは美華家当主が元妾現当主夫人の言葉を鵜呑みにしただけですよ。妾の子よりも本妻の子の方が優秀だと。実際に事業の売り上げを任せても一ヶ月くらいは美華の方が優秀だったらしいですから。」


…………………………それを聞いてなんとなくだがその優秀さを計る基準が分かってきた。黒華鉄は時間が経てば経つほど利益や取引先との関係が良好になるという遠回りだが確実な黒字のやり方だったのに対し、美華の方は後になってから赤字になる様な、運が良くなければ大損をする、良くても赤寄りの黒字になるやり方だったのだろう。


まぁ、資源を必要な時に必要な分だけ売るという黒華鉄家の時に対し、後先考えず大量に売りさばいてゆく美華家では黒華鉄の方が優秀だ。しかし、目先の利益しか考えない美華家には後者の方が魅力的に見えたのだろう。


「………………………そういえば、会長って初恋の黒髪少女という話をしてクラリスさんと喧嘩になっていましたよね?まぁ、痴話喧嘩に聞こえたのですが………………織村家と旧黒華鉄家って意外と近くにあったんですよね………………。美華が近所に廃れた遊園地の城があるとコメントした場所、会長のお宅の事ですよ。まぁ、美華の見当違いなのですが。」


いきなり告げられた衝撃の事実を御子柴から言われた俺はただただ困惑するばかりなのだった。いや、その時俺7歳だったからな?つまり、黒華鉄は5歳の時の話だからな!?と感じてしまうのだった。…………………当時は小さいと言われていたんだ、きっとそうだと幼い頃の自分を慰めながら、俺は話を『この大量の肉をどう調理するか』に戻すのだった。


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