織村隆一郎と初戦闘-1
『ブラックスミス』を出た後に『ナートシスターズ』に行くと、そのまま採寸され、好きな色と服の傾向を聞かれた後、完成図を見せられてそのまま注文は終了した。
「では、明日には完成していますので……………。そちらのギルドカードを提示してくれれば受け渡します。後、今回の装備の値段ですが、三着で20万Gとなります。」
「そうか………………。では、今払っておこう。」
「ありがとうございます。それと、オーダーメイドの特典として『布きれ包帯』をプレゼントします。この包帯は主に縛るタイプの物ですので、毒を持つ蛇などに噛まれた時に使用してください。」
………………………まぁ、受け取って置いて損は無さそうな物のため、俺はそれを受け取り、そのまま『ナートシスターズ』を後にして、そのまま町の外へと続く門へと向かうのだった。
そして門につくと、俺が今来ている服が帝高校の制服であるためか、転生者だという事を門番2人に気付かれた。まぁ、大した痛手にはならないのだけど…………………この2人は俺が依頼を受けている事を知ると、そのモンスターについて詳しい情報を教えてくれるのだった。
「……………………………『ウルフ』なら平原に多く出てくるし、森の中の洞窟に巣くっているよ。まぁ常備依頼になるレベルの繁殖力だからねぇ……………。」
「たまに『チーフウルフ』や『サブリーウルフ』などの統率を維持するためのモンスターが出てくる事もあるから、狩猟7級くらいになるまではこの2体のモンスターを出現させない様なほどほどな量で引き上げる方が良い。」
ちなみに、この2匹も常備依頼には入っているらしい。しかし、1匹で4000Gである為、無理して倒す敵では無いというのが門番の意見だった。まぁ、魔法の扱いには慣れているが、剣での戦闘は初心者レベルだ。ここは門番の忠告通りにする方が良いだろう。
「『ロックビー』の巣は洞窟の周りにある木についている事が多い。『蜂巣石』を持ち帰るなら両手で持った方が良い。アイテムBOXがあれば楽に持ち運べるだろうが…………………」
「生憎、アイテムBOXは持っていないからな……………1つだけ持って帰る事にしよう。…………………最後に、『サイレントレント』はどう判別すれば良い?サイレントと名のつくならば動かないのだろう?」
すると門番はスケッチブックを取り出して簡単な絵を描いていた。つまり、色では無く見た目で判別するのだろう。しかし、描かれた絵は一見すると普通の木を描いただけの様に見えるのだった。