織村隆一郎とブラックスミス-5
「……………………つまり、前の世界から照島の姉は日舞の様な優雅で静かな舞よりも、殺陣のある歌舞伎みたいな優雅でありながらも荒々しい様な舞がしたかったという訳か。」
「簡単に言えばそうなりますね。」
「いつも思うんだが、2組の2年生は個性がある奴が多い気がするんだが………………気のせいか?」
「……………濃いと思いますよ?日舞の後継者なのに殺陣がやりたくて仕方の無い人と、プロテインでムキムキな人に………。後の人は普通ですよ?」
いや、あの2人に囲まれていたら他の2人は個性が弱く感じられるかもしれないが、残りの2人も十分変人だからな……………と思ったが黙っておく。そうしたほうが賢明だと判断したからだ。
2年生の残りのメンバーを紹介しておくと、浜井 虎夏という女子生徒は大病院の娘だが、常に何かしらの実験を教室内で行っている。だが、教室内での被害があまりに少ないために認識されていないのだろう。
もう1人は嵐山 鉄則という元警視総監の子である。まぁ、彼は空手や柔道などの格闘技で4段である事くらいであり、甘い物に目が無いという奴だ。………………まぁ、身近に黒木というそれ以上に強い人間を知っているので、個性を感じないというのは分からなくも無いが。
「……それはそれとし…………早い内に姉に良い武器を渡してやれると良いな。その方が生存率が上がるし。」
「そうですね。ところで、会長は師匠からどんな武器を貰ったんですか?少なくともそのレベルまでは行きたいので見させてください。」
そういえばまだ武器のステータスを確認していなかったな………と思い、俺はそのステータスを確認してみる。すると、以下のようになっていた。…………………予備の武器にしては中々だなと思いながら、照島にそれを見せた後『ブラックスミス』から出るのだった。
解体用ナイフ
・価値 400G
・鍛冶屋の爺さんからの餞別。戦闘は使えないが、特殊な魔力が通っており、死体を解剖しやすいナイフ。しかし、骨などは切れにくい。使い続けると研げなくなるので定期的な交換が必要となる。
マジックナイフ
・価値 1200G
・魔法使いなどが護身用に持つ装備として知られている、魔力を通しやすいナイフ。魔力を帯びる事でそれなりの威力になる為、襲撃者への脅しににも使うことの出来る。ただし、魔力を帯びていない場合はかなり脆く、砕けやすい。
タワーバックラー
・価値 5000G
・長剣使いが主に愛用する盾。腕にフィットするように装着される為に長剣の動きをあまり阻害しない。しかし、防御する為にはそれなりのテクニックが必要となる。