織村隆一郎とブラックスミス-4
「ふむふむ………………これなら店に出しても問題ないレベルじゃの。まぁ、これを安定して3日供給出来る腕になれば……………素材の理解の為に『バッカーノン』の方へ向かって貰うぞ。儂もモンスター素材を使って作る事もあるが、学びたいならばあっちに任せた方が良いからの。」
店主はそう言ってから何も解説せずに作業に戻る。ポーションの性能が知りたいと思った俺は、照島が作ったポーションを『鑑定』してみた。すると、照島もここで頑張ってきたのだろうという結果が映し出されていたのだった。
『サン・ポーション』
・価値 2000G
・太陽の光から取り込んだ魔力をエネルギーとして流し込んだポーション。取り込んだ日光の分だけ回復量が増える。しかし、差は微々たる物の為、主にスキルレベル上げと魔力を扱う練習用として扱われる事が多い。
『サン・マナポーション』
・価値 3500G
・太陽の光から取り込んだ魔力をエネルギーとして流し込んだマナポーション。取り込んだ日光と製作者の魔力の質の分だけ回復量が増える。魔力を流し込む課程の難度がとても高く、暴発して大量の魔力を奪われるという事も多い。安定供給出来る様になれば魔力の扱いが上手くなった証拠となる。
「………………………まだハイポーションには出来ないですけどね……。会長の方は生産初段なんですよね?」
「そうなるな………………ただ、一から始めたお前には負けるだろうけどな。あのガチャのおかげでどうにか出来ていた訳だし。」
俺はそう言いながら普通のポーション類を買っていく。『サン・ポーション』を使いこなせる気がしないので購入はしない。…………………ただ、この『サン・ポーション』を作るのが照島の目的では無いのだろう…………そう思いながら俺は照島に尋ねるのだった。
「まぁ、これは姉の為ですよ。小太刀とか小刀とか、鉄の扇やらなどの和式の武器で闘いたいと言ってましたからね…………。モンスター倒すのに舞う事をとりいれようとした姉が西洋風の武器しか無いことに憤慨してまして…………。」
「そういえぱ狂戦士みたいになっているという噂が流れているが、この世界に来る前に照島の姉に何があったんだ?」
群雲から聞いた噂の中には武器の事には触れていなかった為、噂の中にあった家で何かあったという事だろうと思いながら聞いてみると、照島はこう答えたのだった。
「姉が狂戦士の様になっているのは多分、溜まってたフラストレーションが爆発直前まで言ってから急に火を消されましけど、爆弾としての効力はまだ残っている…………と言った感じですね。」
……………………………まぁ、人間という物は怒りを通り越して逆に冷静になる事は多いがな……………と思う俺なのだった。