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織村隆一郎とブラックスミス-3

それからも店主は、『ラクタガ鍛冶店』では親方や弟子達、従業員のドロドロな恋愛が繰り返されているという話や、騎士団から大量の武器のメンテナンスの依頼が来た時に新規の武器を大量に買いに来たと勘違いして放火されてより面倒な事になった事などを愚痴ったのだった。


「メンテナンスならばアイツ等は面倒だからやりたくないとか、そんな精神で来ていたから『ラクタガ鍛冶店』の親方も、若い頃に学んだメンテナンスのやり方や心得を忘れ取るから依頼が来る筈も無いんじゃが…………。」

「放火されたのは勘違いというわけだが、その後どうなったんだ?どうにも疲れた顔をしているが。」

「……………………あの時は大変じゃったよ。当時の騎士団の武器は儂の父が製作した物でな。血縁であるから比較的魔力が通しやすいという事で任されたんじゃ。しかし、『ラクタガ鍛冶店』の奴はメンテナンスの終わっていない武器の溜まっている所に放火した訳じゃ。」


その後、『ラクタガ鍛冶店』の親方は『ブラックスミス』の店主が如何に無能かを訴えて、新しい武器として装飾ゴワゴワ偽装モリモリの武器を当時の騎士団長に渡したらしい。………………その結果、騎士団長もとい騎士団の奴等は『ラクタガ鍛冶店』が鉱石を卸して貰っていた商会に取引を止めさせたらしい。


「その後、儂には騎士団員8000名の武器を新しく作らねばならなくなった訳じゃ。メンテナンスだけならば同時に何本も作業できるから1週間…………長くて1月で済んだ物が、丸々10ヶ月も掛けたんじゃよ。不眠不休でな………………。」

「………………とんだとばっちり受けましたね……。」

「まったくじゃ。騎士団の方にも迷惑がかかったからの………。まぁ、この事件の後『ラクタガ鍛冶店』は『ブラックスミス』を潰しに来る事は無くなったからいいんじゃけど。あれだけ理不尽な激務は初めてじゃったからの………。団長の武器を作るのには素材が素材名だけに4ヶ月もかかったしの。」


そんな会話をしていると、奥から聞き覚えのある声が聞こえた。…………………まぁ、店主にはその事は何も聞いていなかったから分からなくても仕方ないか……………と思いながら、声がした方に顔を向けた。


「バルカーさん………………会長にもその愚痴を聞いて貰っていたんですか?まぁ、吐き出したくなるのは分かりますけど……………。仕事に支障が出ないようにしてくださいよ。」


そこにはポーション瓶を箱に入れて持ってきた照島 聡……………狩猟9級になった照島 聡美の双子の弟が立っていたのだった。すると店主は「すまんの」と言ってからポーションの確認を始めるのだった。

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