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織村隆一郎とブラックスミス-2

「『バッカーノン』はここ、『ブラックスミス』と『ラクタガ鍛冶店』とは反対方向にある鍛冶屋じゃな。そこの武器もここと同じく質素じゃが、魔法職の使う杖やロッドを扱っておる。」

「そういえばここで作られているのは剣や盾ばかりで鉄製のロッドなどは見てないな…………………。」

「一応『ポーション』や『マナポーション』、『薬丸』なんかも置いているがな。各20Gじゃ。買うならこの話の後にしてくれよ。」


そう言いながら店主は薬品の瓶が置かれている棚を指さした。そこにはゲームでよく見る様な丸底フラスコに入ったポーション類と、大きめの瓶に入った薬品類があった。


「あそこの若い魔女が扱っている武器には、『霊憑』というような特殊能力のある武器もある。しかもそれを掘り出し物の様な感覚で売り出しているから客は流れていくのだけどな。」

「『霊憑』っていうのは……………………?」

「簡単に言えば炉に素材を入れて鉱石と供に溶かし、その素材となった物の力を継承させる物じゃな。冒険者ギルドに集められた討伐部位を買い取って作る事もあるらしいからそれなりの確率で店に並ぶ。」


しかし、それだけの店ならば『ラクタガ鍛冶店』にも客は流れないと思うんだが………………と思ったが、店主はゆっくりと首を横にふった。どうやら『バッカーノン』にもなにかしらの欠点があるらしい。


「『バッカーノン』は『ラクタガ鍛冶店』と違って質素なデザインであり、値段にそぐわないと思う輩が多いのじゃよ。それに店に並べる武器の種類は安定しないからの………………。それに、『ラクタガ鍛冶店』と同様に、メンテナンスが出来ないというのもある。」

「結構致命的だな……………………長持ちさせられる物がそう出来ないという事は………………。」

「まぁ、『バッカーノン』の武器は儂の所でメンテナンスするという契約を結んでおるからの。ただ、『ラクタガ鍛冶店』の方はメンテナンスはしなくて良いとあちらの店主が言って、それを信じた客に武器を使い潰されておるがな。嫌な儲け方じゃよ。まったく…………。」


……………………………まぁ、少々派手な武器が好みになるならば、『ブラックスミス』にはメンテナンスが目的だとしても入りたくないのだろう。………………………まぁ、メンテナンスの値段がどうなっているのかを聞いてみると、その考えが間違っていないと感じた。


「ここで買った武器ならば無料でメンテナンスしてやっている。その為にここの武器は少々高く設定しているが、メンテナンス数回分で元が取れる位の値上げにしている。他の鍛冶屋で作られた武器は、流れている魔力などの違いやら作りの違いなどで手間がかかるから1回につき100Gくらいだな。大破していたら1000G超えるが。」


………………………『ラクタガ鍛冶店』の客が『ブラックスミス』にメンテナンス費用安いのに関わらず来ないのは、やはりこの店に入るのはプライドが許さないという考え方の客だからなのだという考えは正解だったと思うのだった。

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