織村隆一郎と群雲初夏-2
群雲 初夏は前の世界では大手ゲーム会社の令嬢であり、家の影響からかスマホゲームにもかなり熱中していた為、ガチャの能力を持つ1人になっている。……………ついでに言うと、御子柴もガチャ能力持ちだ。
「まず、生産系では私と御子柴が生産8級、残りの生産組は9級まで上がっています。狩猟の方は用心するに超したことは無いという事でランクは上げていません。まぁ、教師達全員は全員8級まで上がりました。でも生徒は小鹿と照島の2人が9級になっただけで後は全員10級のままです。」
「…………………………そう考えると俺の生産初段の方が異常かもしれないな……………。まぁ、魔法が使えるという事になったから仕方ないのか………。」
群雲から話を聞いてみると、御子柴は『細工』というスキルで小物を作ってみた所、ギルドマスターの目に止まったらしい。そして急遽試験代わりの依頼を受けさせられて8級に昇格したらしい。…………………アクセサリーの製作会社社長の息子であり、大きなコンクールで入賞する程の腕前を持つ御子柴にとっては簡単な事なのだろうけどな…………。
しかし、小鹿は大手製薬会社もとい『プロテインならマ・テ・ハ!!』というCMで有名なマテハコーポレーションの御曹司の為、狩猟のランクが高くなるのは速いと感じていたが、照島はお淑やかさの求められる日舞の名家の娘だった筈……………と少し意外に思ってしまうのだった。
「照島の方は家の方で何か色々とあったみたいで、同行した生徒達からは「笑ってない目で微笑みながら淡々とモンスターを倒していく様子が怖かった」とコメントがありますから色々と溜まっていたんでしょうね………………。」
「………………まぁ、照島はあの家では先代の三女の次女と、跡取り確定というわけでも無く、むしろ日舞がまともにできなければ躊躇無く破門させられるような立場らしいからな…………。まぁ、照島については好きにさせた方が良いな……………そうすればその内落ち着くだろう。」
俺がそう言うと群雲も頷いていた。まぁ、ここにクラリスや宮永、黒木に蔵鮫がいたら話は別なのだが………………と思いながらも、俺は群雲に先程とは違うことで話を聞いておきたい事柄があったのでそれを聞いておこうと思ったのである。
「そういえば、勇者討伐しようとしている教師達について群雲はどう思う?この状況の場合、お前はどちらに味方する?まぁ、どんな答えでも逆上はしないがな。」
俺がそう聞くと、群雲は微笑みながらこう答えた。………………まぁ、正直群雲の様な立場の人間では無く、中立している立場の人間に聞くべきだったと思いながら、群雲の言葉を聞くのだった。
「やだなぁ、会長…………………。私は、黒華鉄の味方になりますよ。少なくとも、家柄で相手を判断してきた教師達を弁護する必要はありませんよ。私だけならともかく、私の会社や両親を侮辱した奴等には。」