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織村隆一郎と群雲初夏-1

受付に言われた階段を降りると、そこには黒い鉄製の大きな扉が佇んでいた。これもまた防火の為の設備なのだろうと思いながら中に入ると、作業場はまるでサウナの中にいる様な感覚になる程気温が高いのであった。


「…………………まぁ、この設備なら黒い炎になってしまってもなんとかなるだろう……。まぁ、他人に火傷を負わせる訳にはいかないからな………………。」


そう言いながら俺はなるべく端の方へと移動する。この作業場は中央の方に性能の良い設備が揃っており、端の方は初心者に基本を教えるという様なスペースだったり、自前の道具を取り出すために取られたスペースが存在した。まぁ、俺が行ったのは後者の方なのだけど。


「……………………しかし暑いな……………。でも脱水とかにならずに作業している奴等は何かスキルを持っているのか、それとも道具を持っているのか……………?まぁ、その辺は気にしないで行くか。」


そう思いながら俺は依頼である『精錬』を始めた。『金鉱石』はとても貴重な物かと思っていたのだが誰も見向きをしない。………………………まぁ、依頼品みたいだから手を出さないようにと思っているのか、『金鉱石』は武器に使わないからとか考えているのだろう。


まぁ、群がってくる職人達がいなくて良かったなと思いながら、『金鉱石』を『精錬』していく。すると、やや鈍い輝きだった金が段々と輝きを取り戻していく。そして、『精錬』の金色の炎が消えた時、『金鉱石』は驚くべき変化をしていたのだ。


純金鉱石

・8000万G 

・『金鉱石』から不純物を取り出した金。その輝きは多くの人々を魅了するほか、魔力を効率よく使用する為の素材にもなる。『錬金術』が発達していなかった頃には小さき物でも神体として崇められ、両手で抱える程の大きさになると神その物として扱われ、度々戦争が起きたという史実が存在する。


……………………ちなみに、俺の持っている『純金鉱石』の大きさは野球ボール程の大きさである。……………………もしかしたら前にいた世界の価格よりも高いかもしれないが、完全な金ならば妥当な値段なのか?と思えてくる。


「……………………………残りの奴もやっておくか……………。」


それから俺は同じ事を繰り返す様に『金鉱石』を『純金鉱石』に変えていった。その間、作業場の熱気で何度か集中が途切れそうになった物の、黒い炎を出す事は無かった。しかし、出そうになった事は事実なので精進しようと考えていると………………。


「会長、アルさんの所での修行が終わったんですね。」

「そうなるな。群雲の方も依頼頑張っているのか?」

「そうですね。まぁ、生産の方のランクはなんとか8級になりましたけど……………。」


前の世界ではクラスメイトだった群雲むらくも 初夏はつかはそう言いながら近況報告をしてくるのだった。

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