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織村隆一郎とアーティフィリア-2

渡された剣に『精錬』をして、金色の炎で包み込む。すると、段々と錆が取れていき、輝きを増している様な気がする。しかし、金色の炎がまだ燃え尽きない事から、かなり時間がかかる事が分かる。


「……………………金色の炎を出せたから『精錬』の発動は出来た。後はこれを維持するだけだな…………………。」

「最後まで油断しない心構えが出来ているなら大丈夫だね。まぁ、その武器が君の初期武器になるから失敗したら大惨事だけどね。」


アルさんは俺を動揺させようとしたのか警戒しろと言いたかったのかが微妙に分からないニュアンスで言ってきた。………………まぁ、最後まで油断しない方が良いのは百も承知だ。なんせ、最後の最後で黒い炎にしてしまうと『精錬』する前よりも酷い状態になるからな……………。


「…………………………………。」

「まぁ、『精錬』は早くしようとして送る魔力を増加するのは危険な行為だからね………………って、それはトラウマか。まぁ、代わりに育毛剤の実験が出来たし髪も元に戻ったんだから問題は無いけどね。」


『精錬』に集中している時にアルさんが言った何気ない一言で動揺しかけたが、なんとか持ちこたえた。『鉄鉱石』で『精錬』の特訓中に失敗して黒の炎を出してしまった時に、時間経過でしか消えない炎は俺の髪を焼き尽くし、頭部を焼け野原にしてしまったのだ。


幸いその時アルさんが作っていた『育毛剤』で元の髪まで戻ったのだが……………。あの時の失望感は思い出したくない。その失敗の理由が魔力を多く流しすぎた事による『精錬』の炎の暴走だからなぁ…………………動揺しかけたのも仕方ないと思おう。


「おっ、大体20分で『精錬』完了かぁ~。いや~、予想通りの速さだったよ。しかも異世界の人間?だからこれから先も伸びる事間違いないし。あっ、とりあえずその武器のステータスを見てごらん?」

「………………分かりました。……………って、なんでこんな武器を卒業試験に出したんですか?」

「………………若かりし頃の大量の失敗作だから、処分が面倒な量なんだよね……………なら、弟子とかの教育などで消費させる方が良いじゃないか。教材用や卒業試験用にわざわざ失敗作作るよりは。」


アルさんがそう言いながら明後日の方角を見ていた。……………ちなみに、武器のステータスはこの様な感じになっていた。『鑑定』スキルは最初のガチャで手に入れているので新しく引き直すという事がなくて助かったがな………………。


竜骨鋼りゅうこつこうの長剣

・価値  50万G

・低級の竜の骨を鉄と供にインゴットを作り、そのインゴットを数個使って作られた長剣。切れ味が良くダメージも通りやすい。ただ、溶かしやすく脆い部分の骨を使っているためか硬い物は切れにくい。


………………………まぁ、最初から冒険者として活動している奴とのハンデが無くなるという部分では良いのだろうと思いながら俺は無事にアルさんの元での修行を終了させたのだった。

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