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織村隆一郎とアーティフィリア-1

俺、織村 隆一郎は元、帝高校の生徒会長である。…………まぁ、今の肩書きとしては2組のまとめ役に近い立場であり、俺達を奴隷商から救ってくれたアルさんの弟子という事になるだろう。


ただ、現在他の面々はアーティフィリアの冒険者ギルドに行って金を稼いだり、モンスターとの戦闘経験を積んで強くなっているというのに、俺は未だにアルさんの所でスカートを履きながら魔法の使い方について学んでいるだけと、かなり負い目を感じている。


「……………結構良い感じに擬似魔力血路が出来てきたね。じゃあ、このままスカートを脱いでズボンに戻して……………よし、完成だ。これでズボンでも『火魔法』を使えるようになったよ。まぁ、スカート履いていれば威力は1.2倍になるけどね。」

「……………その位ならズボンのままで闘いますよ……………。ただ、魔法の制御の後に、『火魔法』とは別の訓練もやらせられたような気がしてならないのですが……………。」


俺がそう言うと、アルさんは魔法にて黒板のような物を作り出し、それに色々と書いて説明してきた。それを見ると、この世界の魔法はかなり奥が深いと感じるのだった。


「私が君にやらせていたのは私と同じ『錬金術』だな。もっと深く言えば『錬金術』の1つ、『精錬』なんだけど。『錬金術』というのは他の魔法から派生させるという方法で修得する事が多いんだよ。」

「つまり、魔法から派生させて別のスキルを覚える………と?」

「その仮説であってるよ。『水魔法』から『調薬』、『雷魔法』から『調教』、『闇魔法』から『合成』………………それ位魔法もいう物は変化する。だからそれを最大限に使えるように教えている訳だ。」


ちなみに『精錬』は金属系のアイテムに使うことで、不純物を取り出しより良い性質にするという物で、本家の『錬金術』みたいに全く別の物に変化させる事は不可能だが、十分使えるスキルなのである。


炎の色が薄い金色になれば『精錬』は成功しているのだが、失敗すると黒い炎になる。この炎は水や土で消せずに時間経過のみで物を燃やし尽くしてしまう為、真剣に訓練してきたのだった。


「…………………まぁ、そろそろ試験をしても大丈夫かもね。そろそろギルドに行かないとレベルが違いすぎるという事も起きそうだし。まぁ、今回のテストは『精錬』だけなんだけどね。もう実技の方はどうにかなっているし。」


そう言ってアルさんが取り出したのは、錆やらなんやらで薄汚れた細めの剣だった。アルさん曰く、この剣を『精錬』で元通りに出来れば合格となり、明日から冒険者ギルドでの活動に移れるのだと思いながら俺はその剣を手に取るのだった。

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