巻き込まれた教師達-5
「私のガチャの元になっているゲームは『ツムット3(トライ)』っていうパズルゲームだな。………………私よりも身長が高い小・中・高の妹達がそれぞれの学校で流行っているからとハート回復要因として私を招待した訳だ。」
ツムット3はタイトルに反してシリーズ物の3作目という訳では無く、同じキャラを3つ繋げて消し、そのスコアを競うという感じだった。まぁ、5秒以上繋げられないと即ゲームオーバー、繋ぎ続ければテトリスの様にいつまでも続く………というようなゲームだ。
「それってガチャ機能はあったのか?」
「いんや、少なくともお前の持っている『グラントムガールズ』のようなガチャでは無かったがあった。………………まぁ、ver.1.4までの話だが。キャラが被ってもレベルとか上がらないし、100回やって84回ダブる位のバグっぷりを見せればゲームとしては終わってるだろ……………。」
つまり、ガチャという物はそのゲームには存在していないという事になるだろうが…………………と思っていると、三河は私にガチャとなっているアプリを見せる。すると、このガチャが明らかに異色だと思わせられたのだった。
「私のガチャは、『ツムット3』をプレイして、そのスコアでガチャが回る。そしてプレイ時間に応じてガチャのレア度が違ってくる。……………………ちなみに最高レアに辿り着くには丸3日これを続けなければいけないとなっていた。」
「……………………………どれだけハードルが高いんですか。」
「いや、あくまでこの最高レアにだけだ。その下は丸一日だから大した事は無いさ。」
藤河はそう言いながら、教頭達が持っていた武器を当てたのは自分だが、その時の事を少し鮮明に話してくれた。まぁ、案の定『早い、安い、強い』をガチャ持ちに求めた教頭達はこのガチャの仕組みを理解しようともせずにどんどん武器を出せ!!と三河に強制したらしい。
しかし、藤河のガチャはまともな武器を出すためには1つにつき30分は使うと言った。しかし、それを教頭達は許さなかった為、三河は僅か数秒でゲーム終了、ガチャを引くという作業になった。……………その結果、最低レア度である証拠の茶色いエフェクトを見続ける事になったのであった。
「………………………普通に考えればガチャチケットやらが何にもいらないガチャにとって何がレア度を変えるかと言えば、時間しか対応できる物無いだろ……………。」
彼女の論は間違ってないなぁと、私達はうんうんと頷く野だった。………………もし時間無しにバンバン引けてレアばっかり出たら他のガチャの存在否定しているようなもんじゃねーかと思ってしまう私なのであった。