巻き込まれた教師達-3
「この寝ている二人は能力者……………スマホのガチャを持っていたんだよ。まぁ、この二人は一般人から帝高校の教師になった奴等だ。スマホゲームをやっていたという条件は満たしていたという事だ。」
「………………一応学園長側にも能力者は残っています。けど、この2人は学園長の元に残るつもりが、教頭の指示で麻袋に詰め込まれてからここで武器などをガチャで当てるという事を繰り返させられていました。」
「まぁ、1人は召喚されてからずっとそのガチャについて研究していたからという事での疲れ、もう1人は武器を出すために酷使された事での疲れというのが原因になっている。」
………………………どうやら教師陣にもガチャという能力を持っている人はいたらしい。………………ただ、キャラが1人も見当たらないのを見ると、そこまで運が無いのだろうかと感じてしまう。………………ただ、この2人は馬車の板に何も敷かずに枕も無しで寝ている為にとても寝苦しそうに見える。
「…………………………とりあえずこれとこれがあれば少しはまともになりそうだよなぁ……………。という事で、仁道先生、この2人を少し抱えておいて貰えませんか?」
「あぁ、その位なら問題ないが…………って、黒華鉄の出した茣蓙の趣味悪いなぁ……………。いや、ランダムに出てくるから仕方ないのか?」
「その通りですよ。たまに使い所が分からない物が出て来ます。それも売れそうに無いものが。まぁここで役に立てば別に良いですけど。」
そう言いながら私は『偽札の茣蓙』と『デフォフルメ亀の抱き枕』を爆睡している教師2人に使ってみた。すると2人は寝苦しそうにしていた表情から、普通の寝心地レベルの表情にまで回復した。
「…………………まぁ、起きるまで待っていたら拉致が開かないので私はこれにて失礼します。」
「………………んにゃ、待て、黒華鉄。もう1人は知らないが私は起きた。この血の匂いがなんなのか答えてくれ。もう興奮して鼻血でこの亀の抱き枕を赤く染めるぞ!!」
「それは止めてください。せっかくあげた物を1時間もたたずに血まみれにされたらなんか嫌な感じがしますので。」
私が帰ろうとしたところ、先程まで寝ていた教師の1人が起き出して、私を引き留めた。………………………ただ、なんで血の匂いでハァハァと息を荒げているのかは分からないが…………と思っていると、その教師は自己紹介を始めたのだった。
「私は藤河 真紀。担当教科は保健、部活の顧問はしていない。好きな匂いは血の様な鉄臭い匂いだな。よろしく頼む。」
そう言って一礼した彼女は少し危ない目をしながら馬車の外に漂う血の匂いを嗅ぎに向かおうとするのだった。…………………まぁ、教頭のように応戦してきた教師達が死んだ場所は血の匂いが充満している事は誰もが予想突くと思うけどなぁと思うのだった。