剣城の夢の中の話part1-3
「まぁ、色々と面倒なことになりそうだけど、生徒会には入らせて貰うよ。ここにいれば退屈はしなさそうだし。」
「………………掌返しが凄いような気がしますが……………」
「正直いって織村家やネイクハイカー家、蔵鮫家を敵に回さずとも、一般庶民がその申し出を断ったとなれば周りが五月蠅くなると考えれば当然だろ?それでスマホやらを壊されても困るし。」
コネがあるのに使わないという風景をコネが欲しくてゴマすってる奴が見れば不快に思うのは自然の摂理だと思う。スマホ壊されても深刻なダメージという訳では無いだろうが、ヒステリーの様に罵声を言う奴等を相手にはしたくない方が大きいと見える。
「とゆーわけでよろしく生徒会長。」
「あぁ、よろしく頼む。」
そう言って私と織村が握手をすると、クラリスがばつの悪そうな目で私を見ていた。………………現実の方で分かっているのだが、クラリスと織村は友達以上恋人未満的な関係だと分かっている。しかし握手くらいで嫉妬しないでくれよ…………と思うのだった。
「それにしても、黒華鉄さんは普段から女性物の服を着ないのでしょうか?男子の制服を着ていても全く違和感が無いので………。」
「中学までは男として暮らさせられてきたからな……………。一応中学では黒華鉄家もとい美華家から追い出されてたから女子の制服だったんだが…………。後、髪も膝くらいまで伸ばしてたし。」
中学時代は髪に関しての校則が『染色・脱色の禁止(地毛の場合は入学前に申請しておく事)』と『パーマ・アフロの禁止(天然パーマは可)』だけしか無かった事と、散髪屋に一々行くのが面倒だという理由で伸ばしっぱなしにしていた。
まぁ、帝高校に通わされる為に連れてこられた時にバッサリと切ったけどね…………………。男子制服で髪を伸ばしているのは流石に違和感あるだろうと思ったのと、もしも男として通していた方が都合が良いときが来るか分からないので念のためにとやっていた。
「…………………まぁ、家では黒ジャージだったけど。」
「それ、外に出るときに恥ずかしいとか思わなかったのか?」
「いや、店員さん曰くあまり違和感ないよって言われた。それに恥ずかしさなんて何も無かったよ。公の場では流石に普通の服着たけどさ。」
ちなみにその愛用だった黒ジャージは今は手元に無いことを思い出す。あれは寮の部屋に置きっぱなしだったから転生した時に持って来れなかったんだよなぁ………………と、そう思いながらも夢は続いてく…………………だが、その全てを見られるわけでは無いらしい。まぁ、初めからそう理解してたけどさ…………と思いながら私は目を覚ましたのだった。