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剣城の夢の中の話part1-2

「…………………つーかなんで生徒会に連れて行くんだよ。正直言って私はここで出会いとか伝手とかを探してる訳じゃ無い。というか、糞親父のせいで引きこもり生活がおじゃんになってるから苛ついてるんだよ。」

「まぁそう言うなよ………………。俺だってこのメイド服を着させられているんだ。ロングスカートなだけマシなような気はするが。」


黒木はそう言いながら肩をすくめていた。一方私はクラスの注目を集めるのが嫌になったのか、スマホから手を放してから黒木について行っていたのである。


「………………………そういえば黒華鉄は生徒会の中では誰が好みなんだ?一応元庶民的な感じでの意見が聞きたいんだよ……………。」

「………………知らねーよ。生徒会のメンバーの顔すら知らない奴に聞くな。それと私は女だ。糞親父のせいで男子の制服を着させられたからな。」


どうやら、あのまま高校生活を送っていた場合、私はすぐに女だとカミングアウトしていたらしい。まぁそうしないと色々と困るだろうしなぁ……………夢から覚めた後の私は男のままの方が都合が良いのでカミングアウトはしていないのだが。


「………………………どう見ても男に見えるが…………まぁ良いか。とりあえず生徒会室には到着した訳だ。お~い、織村。生徒会の新メンバーを連れてきたぞ~。」

「すまないな、黒木。あぁ、黒華鉄には自己紹介がまだだったな………………俺は生徒会長の織村だ。それから副会長のクラリス、会計の宮永、書記の蔵鮫。このメンバーは基本的に俺の家やクラリスの家の様な財団に縋ろうとしない奴をメンバーとして迎えている。だから黒華鉄も誘った訳だ。」


……………………まぁ、大企業というか金持ちの集まるところでも、より稼いでいる家を取り込んだりだとか寄生しようとする精神は変わらないらしく、生徒会のメンバーはそんな奴等では無い人間をスカウトしていっているらしい。


「…………………一夜、なんで他の女の子と一緒に歩いているの?少なくともその権利の殆どは私の物だったよね?」

「殆どなら他に誰か入るって意味になりますよ、蔵鮫さん。でも私という者がいながらなぜ女性を生徒会に連れてくるんですかね?織村会長?宮永さんの時は安心しましたけど…………。」

「え?黒華鉄って男じゃ無いの?というか、男性の服着ているのが生徒会で俺だけだからかなり気まずかったから男入れようと思ったのに………………。って、名簿にもちゃんと男性って…………。」

「会長…………………彼女が龍乃宮さんに告白された時に女だと公言したという事をご存じなかったのですか?殆どの女子生徒はこの事を知ってますよ。まぁ、龍乃宮さんの告白は演技では無くて本気だったらしいですけど。」


……………………………あぁ、結局龍乃宮の事は女だと言ってフるのか……………と、なんだか色々と申し訳ないなぁ……………と思ってしまうのだった。いや、現実ではカミングアウトしてないんだけどね……。

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