葉っぱの館-6
化粧品についての話が終わったので、私はクラッカーを手に持ちながらこう聞くのだった。まぁ、流石にこの『葉っぱの館』の中で過ごすわけにはいかないしなぁ………………。
「次に、この音爆弾だけど……………どれくらいの威力がある?」
「そうだねぇ……………威力としてはこの部屋がバッサリとただの葉っぱに戻るくらい………………かしら?まぁ『付与術』で『威圧』の効果を着けているから効果は大きいわよ。」
「……………………でも大きな音がすれば逆にモンスターが集まってくると思うんだけど…………………目の前に現れたモンスターは『威圧』で逃げ出させても、遠くにいればその効果は薄まってしまうから………………」
私がそう説明すると、彼女はかなり落ち込んでしまった。………………そして、杖やらなんかの使いやすそうな方も音爆弾からの疑惑がついてしまっているから閑古鳥が鳴くようになってしまっているのだ。………………………つまり、音爆弾もといクラッカーを改善すればどうにかなるのである。
「とりあえず『付与術』の枠が一つだけなのか、それとも複数着けられるのかが気になるんですが……………。もし出来るなら『消音』と『威圧』で『付与術』を使ってみてください。」
「それ位なら簡単だけど……………………って、そうか…………。無音にしておけばモンスターが集まらずに『威圧』の効果が発揮できるから……………。」
そこから彼女はブツブツと呟きながら自分の世界に入り込んでしまった。…………………まぁ、これなら静かになるだろうと私が部屋を出ようとした時、商人夫婦の夫の方が私にお礼だと色々な物を『収納の革袋』に入れて渡してきた。
「一応アンタもアイテムBOXは持っているらしいが、あって困る物でも無いだろう?黒い紐の方は俺からの化粧品や香水に興味本位で買っていたが適性の無かった『研磨』と『装飾』、『錬金術』の基礎の書から実用書が入っている。アイツのは分からんがダブって買ってた『付与術』関連の物が入っている。」
「結構貴重そうな物を渡してくるな………………。アイテムBOXはかなり貴重な物なんだろ?」
私がそう言ってみると、彼はふるふると首を横に振った。話を聞いてみると、『収納の革袋』は他のアイテムBOXと比べるとかなり質が悪いらしい。なんでも収納は10分の1程、重さを軽減する力は少々少なく、外側が破損したりひっくり返したりすると中身の物がドバドバと溢れていくらしい。
「ありがたく受け取っておくか……………。それじゃ、もう夫婦喧嘩しないで静かにしていてくださいね。」
そう言ってから私は自分が泊まっている部屋へと戻るのだった。