葉っぱの館-4
「だーかーらー!!新商品の説明は私がする方が売り上げが伸びるから!!男が開発した化粧品ってイメージだと売れないわよ!!だからアンタは代わりに私の開発したモンスターを撃退する音爆弾を売り込みなさい!!」
「お前は化粧品に関しては無関心だっただろーが!!これには専門的な知識が必要だからカンペが通用しないことも分かってるだろ?後、俺はまだこの音爆弾に慣れて無いからプレゼンは無理だ!!」
「私だってそう思ってたけど!!でもこの前売りに行ったら化粧品は在庫が私が火薬の匂い消しや後を隠すのに結構使っているのに余るくらい売れ残るでしょ!!アンタの顔は厳ついから女性が冒険者で無い人達が逃げてくのよ!!」
どうやらこの商人夫婦はお互いに自分の開発した商品の売り子について論争していたらしい。ちなみに売り子を他に雇うことは、厳つい夫を見て売り子を引き受ける前に逃げ出す為に断念しているらしかった。
「…………………………あの~、隣の部屋に宿泊している者ですが…………少し静かにしてくれませんか?」
「「……………………………うっせー!!部外者は黙ってろ!!」」
「………………………部外者じゃねぇから言ってんだろうが!!」
それから私も加わった喧嘩となり、数分後に落ち着いて話を聞けるようになった。……………………これは口喧嘩の最後に夫側の方が「ならお前が現状変えてみろや!!」的な事を言われたからである。まぁ、私が提案するのはある意味テンプレの様な意見であるので、そこまで期待しないで貰いたいとも伝えておいたけどね………。
「まず最初に音爆弾やらがどんなアイテムかが知りたい。後、それまでに出していたアイテムがあれば案が出しやすくなる。それと化粧品の用途と種類、使い方なども頼む。」
すると、音爆弾というのはまんまクラッカーであり、他のアイテムもクラッカーと同じような護身用のアイテムらしいのだけど…………主にお札や簡易的な飾り付きの手抜きされた杖というような、身につけておくことで効果を発揮するという魔具だった。
「………………………私が女だからって事で舐められてるって感じかな……………。それでも『付与師』としての技術は学院に行ってたから結構高いんだけどね…………………。」
「…………………まぁ、学院の事を知らない人間の方が多いからな…………。学院でトップクラスの成績なら基本的には一生金には困らないほどの安定性のある収入が得られるという事になっていたのに、奴等の偏見のせいでこうなってる訳だ。」
…………しかし、私はこれについての解決策を思いついたので、早速二人に提案するのだった。これまでの話を聞く限り実力はあるみたいなのでこの夫婦はそれを成功させるだろうと思いながら……。