表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

爺と魔王

初投稿です。

あまりいい文章は書けませんが、

どうぞお付き合いください。

天正10年6月12日 午後7時


尾張の一国主から桶狭間合戦を経て、将軍義昭を擁立させ、近畿を制圧した後に武田、毛利、上杉と戦い、天下を今治めんとした

『織田信長』は京都の本能寺に滞在していた。


「では、信長様、私は部屋の警護を担当していますので、今宵も安心してお眠りくだされ。」


「うむ、よろしく頼む。蘭丸よ。」


現在信長は長年小姓だった蘭丸から見ても、いつになく上機嫌だった。


しかし、信長は上機嫌ではあるものの、

何か懸念があるように蘭丸は感じた。


それとなく、

「…どうされました?」


「いや…どうも爺の顔が浮かんでな…」

爺というのは、まだ信長が尾張の一国主で

あった際、信長の教育係であった

平手政秀である、


まだよく自分が「尾張の大うつけ」 と呼ばれていたとき、よく叱ってくれ、そして悩みなどの相談にも乗ってくれる、信頼できる家臣であった。


結局は、爺は信長を諌めるために自害してしまったのだが、今でも信長は気に病んでいた。


「爺と言いますと、平手政秀殿でございますか? 父上からよく話は聞きます。政秀殿がどうかされました?」


「…いや大丈夫だ。それより信忠はどうだ?」


「信忠様ならもう消灯しているかと…。」


「うむ、では俺も寝るとしよう。」


「承知致しました。ではこれにて。」


そう言って蘭丸は部屋から退出した。


ふと外を眺めると、美しい星が瞬いていた。

そういえば爺が天文について語っていたことがあった。もう一度この空を爺と共に…

信長は気付くと泣いていた。


「俺は天下をとる。」

そう呟き、この星空に背を向けた。


不思議と爺に呼ばれているような気がした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ