第一話 第八部 センスの問題
監督「次は打撃練習だ。ピッチャーはそれぞれシートバッティングの準備をしておけ。シートバッティングだからといって打たせるようなピッチングはしなくていいぞ。」
監督が声をかけるとすかさず投手陣は肩を作り出した。私たちも準備をして打撃と守備の準備をしていた。番号順に打撃が始まり、私と巴美羽は真ん中より後ろの順番になった。みちるや衣世、リーダーの夕菜が最初に打撃を行う。私は守備位置について守る体制をとった。巴美羽は歩きながら守備位置に移動していく。なんてマイペースな人なんだろうか。でも同じ守備の人たちとは仲良く話している。なんだろう…。
夕菜「お願いします。」
まずリーダーの夕菜がバッターボックスに入った。あの代表投手は…たしか近畿で有名な…。
ギィイン!
「ナイスバッティング!」
綺麗なバッティングでセンターへと運んでいった。さすが特攻隊長にふさわしい人だ。
ギィン
ギィイン!
当たったり外れたり、さすがに全部ヒットにするのは難しそうだ。
ギィイイン!
「巴美羽いったよ! 巴美羽!!」
バシーン!
巴美羽のところに強い打球が飛んできたが、余所見しながらボールをキャッチ。そしてそのままファーストへ送球した。
監督「ほう。」
あの守備に私は唖然としていた。なんであんなことができるの。私と何が違うのか…それはセンスの差だと思ってしまうぐらい、恐ろしいものだった。
みちる「お願いします!!」
次はみちるがバッターボックスに入る。かなりでかいし目立っている。さて、初球はどんな打球を見せてくれるのだろうか。
シュッ ギィイイイイイン!!
衣世「おおーー!!」
ガサッ
初球からホームラン。カンペキなあたりで皆が打球の方向を見ていた。さすがみちる、パワーはある。