第一話 第七部 巴美羽の両親とは
巴美羽「なにしてん? お守りか?」
由紀「そうよ。別になんだっていいじゃない。」
巴美羽「そういうもの、由紀にもつけるのか。まあうちには関係ないことだけど。」
由紀「なによその冷たい言い方は。」
巴美羽は私の声に反応して胸に手を当てていた。
巴美羽「私のお父さんとお母さんはこの中にいる。両親にそだてられたことがどれだけうれしいことか。失うのは辛いけど今はここにいるんだ。」
由紀「巴美羽…。」
巴美羽「さっさとキャッチボールの用意してよ。飽きて帰りたくなるわよ。」
由紀「……いや、帰らせないわよ。」
私はグローブをすぐに持って巴美羽にボールを渡した。
由紀「あんたに勝つまで絶対にあきらめないんだから。それがお父さんとお母さんが望んでいることだから。」
巴美羽「あーそ。はいはい。好きにしてー。」
私は走ってキャッチボールの場所へと移動していく。巴美羽にいたってはあくびしながら歩いてキャッチボールの場所へと移動していく。私は巴美羽が到着した瞬間にやや強い送球をする。
バシン!
由紀「気合いれていかないとミスするよ。」
巴美羽「大丈夫だよー。」
余所見しながらスローイングする。しかもそれは私の胸の真ん中、一番取りやすいところに飛んできた。このセンスはいったいどこからでてきたものなんだろうか。
由紀「巴美羽、ボール!」
バシン
私は投げると横を向いたまま巴美羽はボールをキャッチした。たったのちら見でそんなことができるの…なんなのさ。
巴美羽「ほい。」
バシン
かなり良い球が帰ってくる。もう絶対に巴美羽には負けたくない。どんなことがあっても!