第一話 第四部 全国代表の扉を
由紀「…おはよう。」
みちる「おはようです。一緒に全国代表に選ばれて嬉しいです。」
湯子「選ばれたなら頑張らないとですね。」
由紀「そうだね…。行く?」
みちる「は、はい!」
湯子「頑張りましょう!!」
私は全国代表のチームメイトが集まるグラウンドに到着した。でも…なぜか気分が高ぶらなかった。まだ引きずっていた、親のことを…。忘れられない衝撃が…ずっとあの光景を…。
みちる「由紀先輩…? 由紀先輩!」
由紀「あ、ごめんね。ボタン押さなきゃ。」
私は目の前にあるボタンを押して扉を開いた。そして目の前には全国代表の人たちが集まっている。その中には巴美羽もいた。
巴美羽「気持ち…かわっていないみたいだね。それだと置いてかれるわよ。まあ私はしらないけど。」
由紀「練習サボるあなたに言われたくないわよ。」
巴美羽「これでも全国優勝しましたが?」
なんか許せない、この人だけは絶対に許せない。
衣世「先輩、この人が由紀さん? ちっちぇー。」
由紀「小さくてすみませんね。」
湯子「なによその口調。」
由紀「いいよいいよ、ムキにならないで。」
みちる「早乙女 衣世…ね。」
この人が早乙女衣世。関西の中では至上最高の長距離砲といわれている人がこの人…いかにもギャルっぽい感じがする。しかもコーヒー牛乳を片手に持っているし。
衣世「へーこっちがみちるか…でかいな、もうちょい背縮めよ。」
みちる「いやよ。」
衣世「ならちょっとわけてよ。」
みちる「それもいやよ、そっちも十分大きいじゃない!!」
こんなメンバーで本当に大丈夫なのかな…。チームがバラバラにならなきゃいいけど…。それよりもまず自分の心配をしなきゃ。