第四話 第十四部 湯子と巴美羽
由紀「ドンマイドンマイ!」
私はすぐに湯子に声をかけた。湯子も何か吹っ切れたかのように大きくため息をついて私の方をむいた。
湯子「大丈夫、頑張って投げるから一つずつとっていこう!」
湯子の元気な声が聞こえてきた。だけど…顔付きが全くもって違った。あの時の私と一緒だ。両親が亡くなった時と…同じ絶望感あふれる顔になっていた。私は言葉を失った。何を言えば良い。これ以上声をかけても何も届かないのではないのだろうか。逆に嫌な思いをさせてしまうのではないのだろうか。
みちる「大丈夫です! 湯子先輩ならあとも抑えられます!」
みちるも声をかけるが全く変わる様子がない。夕菜も声をかけているがダメ、衣世にいたっては声をかけることすらためらっていた。
巴美羽「打たれるときもあるよ! だとしても投げなきゃいけないのはピッチャーでしょ!」
由紀「巴美羽…?」
巴美羽が突然声を出した。それに湯子はハッと反応した。
湯子「巴美羽。」
巴美羽「打たれたことはしゃーない。さー次抑えていこー!」
巴美羽が珍しく声を出している。なんでこういうときに限ってすごく頼りになる言葉をかけてくれるのだろうか。それを聞いた湯子も落ち着きを取り戻しつつある。湯子はもう一度深呼吸してバッターの方を向いた。四番バッターがそこにはいた。そして湯子は勢い欲投げる。
シューーー バシーン!
ストライクワン!
序盤のような勢いが…戻ってきた…!?




