第四話 第九部 バット投げ
みちる「(なんだろう…この雰囲気、何か投げられたら確実に持っていかれそうな雰囲気…。何かありそう。)」
私はベンチのフェンスに体を乗り出すように衣世の様子を伺った。何か狙っている。そう思えるのは確実だ。しかし何を待っているのだろうか。コースか変化球?それとも…別のものだろうか。
ジャスミン「(面倒くさいね。これで!)」
シューーーギィン!
ファールボール!
またファーボール相手投手がどんどん冷静さを失っていく。これを待っていたのだろうか。しかしキャッチャーがなだめようとしている。そして投手は深呼吸をする。ああ、これを待っていたのだったらまたカットをするのだろうか。
衣世「(そろそろね…さあ来い来い!)」
ジャスミンがウインドミル投法で集中して投げた。
ググググッ
衣世「きたああ!!!」
突然衣世が大きく声をあげて振りに入った。まさか…これを待っていたのか? チェンジアップ!
ギィイイイイン!!!
衣世「ういーー。」
カンペキな当たりだ。衣世はバットを捨てるように一塁ベースへと向かって歩き始めた。もうこれは見事としか言い様のないスイングだった。まさかあんなところまで飛ばしてくなんて…。
ポーン
みちる「す、すごい。」
衣世は入ったと同時にドヤ顔に変わってベースを回り始めた。これでとにかく二点が入る。
ジャスミン「ハーッハハハ!!」
突然相手のジャスミン投手が上を向いて大きく高笑いした。そして笑い終わると本塁ベースを踏んだ衣世を見た。その顔は笑っていてめちゃくちゃ楽しんでいるかのようだった。この余裕な笑みはいったい何なのだろうか。
次にセンターの亜美がバッターボックスに入る。しかし何か変わったかのようなジャスミンは笑い顔で投げ始める。
シューー バシーン!
ストライクワン!
湯子「は、速い!」
プロ顔負けの投球だった。このホームランに何か目覚めてしまった、覚醒したかのように投球が変わっていた。これが本当の投球なのだろうか。
今回はぐう畜カレラさんに描いていただきました!ありがとうございます!
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