第四話 第八部 待つ球とは
ジャスミン「ワットゥ!?」
みちるの打った打球はライト方向へと大きく伸びていき、フェンスへと届きそうな場所まで飛んでいった。グングンと伸びていき、このままの勢いならホームランも考えられる。
夕菜「入れー!!」
ガシャン! 打球はフェンスに当たった。ホームランとはいかなかったが転がっていった方向が運よく、遠くへと転がっていった。それを見てみちるは二塁ベースを蹴って三塁へと向かっていった。そしてライトからレーザービームが帰って来た。
バシン! セーフ!!
みちる「あぶぶ…。すごい肩だなぁ。」
衣世「ナイスバッティング!」
由紀「いいバッティングだよ!」
みちるは嬉しそうにガッツポーズをとって私たちに笑顔を見せてくれた。そしてその喜びようがまるで犬かのようだった。
衣世「さてと、私の出番だね。」
衣世は嬉しそうにバッターボックスに入った。そしてバットをグルグルと回す。
衣世「(好きな球こいよ…変化球こい変化球。)」
衣世は何かを待っているかのようにバッターボックスで立っていた。いったい何を待っているのだろうか。
バシーン! ストライクワン!
バシーン! ストライクツー!
あっという間に追い込まれてしまったでも衣世は落ち着いている。いったい何を考えているのだろうか。
シューーー ギィン!
ファールボール!
カットした。その良い球を何故カットしてまでその球を待つのだろうか。その理由が私には全くもって分からない。
シューーー ギィン!
シューーー ギィン!
シューー ギィン!
ファールボール!
これで四球連続だ。いったいどんな作戦なのだろうか、衣世とはいったい…。
衣世「(違う、これじゃない。変化球といってもこれじゃない。チェンジアップ来いよ! その球が一番ホームランにしたいんだよ!)」
衣世は訴えかけているかのようにバッターをにらみつける。もしかして…ストレートでもないのか? となると…変化球?




