第一話 第三部 努力、望み。
巴美羽「ねえ、なんであんなプレーになったの? 努力の天才だったんでしょ? 本気でぶつかることがあなたのやり方だったんじゃないの?」
由紀「…あんたには関係ないよ。私の両親は…もう…。」
巴美羽「ふーん。まあ由紀は由紀のやり方でやってきな。」
由紀「………。」
巴美羽「その間にどんどんと差は開いていくけどね。何にもしないで私なんてできるんだから。」
巴美羽はてくてくと歩いて私の元を去っていった。怒る気力も、はむかう気力と実力でさえも…なかった。私は何のためにここまでやってきたのだろうか。すべてが水の泡になっている感じがした。
由紀「………。」
みちる「…由紀先輩。両親のこと…聞きました。そんなことがあったんですね…。」
由紀「みちる…。」
みちる「私は由紀先輩と共に全国制覇できると思ってました。でも…残念です。だとしても、私は由紀先輩のプレーをずっと見て行きます。あきらめないで…最高のプレーをみせてください! きっとそれが両親の望みだと思います…。」
由紀「両親の望み…。」
みちる「ごめんなさい。私の言えるようなことじゃないですよね…深刻な問題ですし…。」
由紀「まあ…なんとかしてみるよ。」
みちる「うん…全国代表でその意地、見せてください。」
由紀「ありがとう…すこし勇気もらったよ。」
みちる「そういってくれると嬉しいです。」