第四話 第五部 楽しませて
シュバァ バシューン!
ストライクバッターアウト!
夕菜「ちっ!」
ジャスミン「イエーッス!!」
夕菜があっという間に三振してしまった。相当な相手だということが分かる。なんてストレートだ。でも…とらえられないというわけではない。でも…このままでは打てる人は限られてくるかもしれない。
シュバァ ギィン!
湯子「ぐっ!」
初球から湯子もバットを振ってきたが、運よくあたったというべき当たり。ピッチャー正面へのボテボテ頃はファーストにゆっくりと投げられてアウトになった。ツーアウトランナーなし。この場面で私の出番がやってきた。
みちる「由紀先輩なら打てます! 頑張ってください!!」
私はバットをギュッと握ってバッターボックスに入った。この相手は相当な敵だということが分かる。けど…同じ人間だ。お父さんお母さん、私は打つよ!
シュバァア!
由紀「(低めのストレート。対応できる!!)」
ギィイイン!
ジャスミン「シット!!」
打球はボールに反発するかのように勢いよくセンターへとはじき返していった。これでセンターヒット、まず一本目のヒットを打つことができた。
巴美羽「たのしませてくれよー!」
そして巴美羽がバットをブンブンと回しながらバッターボックスに入った。それにしても…これだけ楽しそうにバッターボックスに入る巴美羽は始めてみたかもしれない…。もしかするといとも簡単に…。
ギィイイン! バシーン!!
由紀「あっ!」
アウト!!
鋭い打球が飛んでいったが、ショート真正面。これには巴美羽も信じられないといった顔をしていた。巴美羽がアウトになるなんて…。飽きてアウトになったとき以外は始めてだ。




